ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「邪香草」 柴田よしき他アンソロジー

2024年04月09日 17時13分17秒 | 作家 あ行
邪香草: 恋愛ホラ-・アンソロジ- (祥伝社文庫) 2024.4.9読了。
柴田 よしき (著)他

願い,ゆりあ,あおいちゃん,虞美人草,コワス,真珠の価値,銀の鋏 他



いじらし系の恋愛ホラーで、わりと好み。柴田さん目あてで読んだけどほかの作品も面白かった。最後の「ぬるい水」だけはわからんかった。6点。

「早期退職」 荒木源

2024年04月04日 13時32分23秒 | 作家 あ行
早期退職 (角川文庫) 20204.4.4読了。
荒木 源 (著)

辻本壮平、52歳。菓子メーカー営業課長。妻子あり、住宅ローンはほぼ完済ずみ。 ある日突然、早期退職募集が開始される。辞めるべきか、会社にとどまるか、どちらが得かで悩む辻本課長の選択は――。



主人公がどうも好きになれない。最後、ちょっとうまく行きすぎ。5点。

「黒豹の鎮魂歌(上・下)」 大藪春彦

2024年04月03日 16時31分04秒 | 作家 あ行
黒豹の鎮魂歌(上・下) (光文社文庫) 2024.4.1読了。
大藪春彦 (著)

京葉工業地帯開発の利権に群がった元首相と結託する男たちの非道な仕打ちで、両親と妹二人を失った新城彰。日本を追われヨーロッパへと渡った新城は、フランス軍秘密部隊を除隊後、日本人観光客の夜のガイドに身をやつしていた。心の奥底に復讐の念を燃やし続ける彼の前に、ついに仇敵の一人が現れた! 圧倒的な戦闘力と頭脳を武器に、いま孤独な戦いの火蓋が切られる!
元首相・沖がヨーロッパに貯めこんだ厖大な隠し金を壊滅へと追い込んだ新城は、復讐のシナリオを胸に帰国。一人、また一人と仇敵らを確実に仕留めてゆく。政治家お抱えの暴力団同士の抗争を巧みに煽り、巨大な権力の本丸へと迫ってゆく新城。鉄壁の要塞に守られた醜悪な権力者たちを斃すことができるのか!? 時代を超えて読み継がれるべき不朽の傑作。



時代が時代だから、ちょっとくどいが今も面白く読めるところが凄い。コンプライアンスなんてものないしね。6点。

「疾き雲のごとく」 伊東潤

2024年03月22日 17時34分25秒 | 作家 あ行
疾き雲のごとく (角川文庫) 2024.3
伊東 潤 (著)

坂東の獅子・北条早雲の猛き生き様ここにあり!
時代は血なまぐさい戦乱の世に突入した。将軍家に連なる名門・今川家は、家督争いによって二つに分裂する。一方、この内紛に目をつけた隣国の上杉定正は、名将・太田道灌を送り込むことで介入を目論んだ。道中、道灌は宿泊した寺院で、「宗瑞」を名乗る眼光鋭い青年僧と邂逅する。二人の運命的な出会いが、歴史を動かそうとしていた……。周囲の人々の眼を通して戦国の風雲児・北条早雲の生涯を描いた、疾風怒濤の歴史小説。



早雲のかかわった人物と事象を短編で描き、早雲の人となりを描いた短編集。長編の方が好き。6点。

「黎明に起つ」 伊東 潤

2024年03月11日 19時47分11秒 | 作家 あ行
黎明に起つ (講談社文庫) 2024.3.9読了。
伊東 潤 (著)

11年ものあいだ、京を荒廃させた応仁の乱。関東の地に新天地を求めた伊勢新九郎は、伊豆での激戦に身を投じることとなった。民を生かす世を希求する新九郎は守旧勢力を駆逐できるのか。若き日の挫折から覇権を打ち立てるまでの東国の雄・北条早雲を描く疾風怒濤の戦国小説。



6点。

「いくつになっても 江戸の粋」 アンソロジー/細谷正充・編

2024年03月06日 19時20分41秒 | 作家 あ行
いくつになっても 江戸の粋 (光文社文庫) 2024.3.6読了。
細谷正充 (編)

現代よりだいぶ早くに隠居し、余生を生きた江戸の人々。
悠々と生きる者、ひと癖ある知恵者、嫌われ者、虐げられた者。
己の場で、江戸のお年寄りたちが魅せる命と心の輝き。
そして次の世代に伝えてゆく、自らの意気と生き様とは。
名手たちによる短編3編と、書下ろし短編3編を収録。
笑えて、泣けて。年を取るのも悪くないと思えてくる、傑作ばかりの時代小説アンソロジー。
【収録作品一覧】
三筋界隈 青山文平
つはものの女 永井紗耶子
いくばくも 泉 ゆたか (書下ろし)
ひと夏  志川節子 (書下ろし)
ほおずき長屋のお豪 坂井希久子 (書下ろし)
五郎治殿御始末  浅田次郎
編・解説 細谷正充



浅田さんお目当てで読みましたが、まあ、期待したほどでは。5点。

「憑神」 浅田次郎

2024年02月29日 19時10分24秒 | 作家 あ行
憑神(新潮文庫) 2024.2.28読了
浅田 次郎 (著)

時は幕末、処は江戸。貧乏旗本の次男の身ながら、その才を見込まれて大身の入婿となった彦四郎。だが、跡継ぎを授かったとたん離縁され、実家に出戻るはめに。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、なんと神様があらわれた。だが、この神様、神は神でも、貧乏神! 果たして、貧乏侍vs.貧乏神の行方は……!? とことんツイてない男が最後に選んだ真実の生きる道とは――。抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。最近ツイてない、ツキが欲しいと思っている人、必読。


面白おかしく話は進み、感動のラストへ。7点。

「池上彰と考える、仏教って何ですか?」 池上彰

2023年10月19日 19時22分04秒 | 作家 あ行
池上彰と考える、仏教って何ですか?  電書 2023.10.19読了。
池上彰 (著)

仏教の誕生、日本への伝来から、葬式や戒名の意味、新興宗教までーー。仏教にまつわる疑問、基礎知識について池上 彰がわかりやすく解説。さらに、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ法王とインド・ダラムサラで対談、仏教の原点について聞く。それらを通して仏教とはどういう教えなのか考える。
私たち日本人は、現実に仏教的な世界観の中で生きて、死んでいくのです。その世界観を知ることは、自らのアイデンティティを再確認し、心穏やかに生きるための大きな力になるのではないでしょうか? 仏教を知ることは己を知ること。そして、日本を知ることです。(池上 彰)



仏教とは何か、池上氏がわかりやすく解説してくれる。ほんとに入門書。ものたりなかった。5点

「変な家」 雨穴

2023年08月17日 13時10分54秒 | 作家 あ行
変な家  単行本 2023.8.16読了。
雨穴 (著)

YouTubeで1400万回以上再生のバズ動画
あの「【不動産ミステリー】変な家」には
さらなる続きがあった!!

謎の空間、二重扉、窓のない子供部屋——
間取りの謎をたどった先に見た、
「事実」とは!?

知人が購入を検討している都内の中古一軒家。
開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、
間取り図に「謎の空間」が存在していた。

知り合いの設計士にその間取り図を見せると、
この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が
存在すると言う。

間取りの謎をたどった先に見たものとは……。

不可解な間取りの真相は!?
突如消えた「元住人」は一体何者!?

本書で全ての謎が解き明かされる!

<目次>
第一章 変な家
第二章 いびつな間取り図
第三章 記憶の中の間取り
第四章 縛られた家



電子で読みました。
ちょっと、読んでみるつもりが、引きずり込まれ、一気読みになった。平易な文体で読みやすい。図版が所々に配置されてて読み手に親切な設計。ちょっと無理があるストーリーながら先が気になって最後まで読まずにはいられない設計!? 7点。

「ミヤマ物語」1~3 あさのあつこ

2023年04月14日 16時11分41秒 | 作家 あ行
ミヤマ物語 第一部 二つの世界 二人の少年 (角川文庫)  
ミヤマ物語 第二部 結界の森へ (角川文庫)
ミヤマ物語 第三部 偽りの支配者 (角川文庫) 全三冊 2023.4.13読了。
あさの あつこ (著)

階層が厳しく分けられたウンヌに暮らす少年ハギは、母親のトモと二人暮らし。彼らは最下層である「クサジ」だった。その村を統治するのは、「ミドさま」と呼ばれる存在で、その姿を見ることは決して許されなかった。ウンヌで恐れられる存在がもう一つあった。それは「マノモノ」と呼ばれるもの。その名を声に出すと口が腐り落ちると言われた。ある日、トモに死罪が言い渡される。トモはミドさまのための水を絶壁の泉から汲みあげる水汲み女だったが、そこで粗相があったというのだ。――別次元の世界、現代に生きる小学校6年の透流(とおる)はマスコミで活躍する母親のことで学校でいじめにあい、家の中でもまた孤立していた。絶望的な気持ちのまま家を出て大きなクスノキに登ってみた透流は、そこで不思議な声を聞く。「ウンヌへいけ!」生まれも育ちも、世界も違う二人の少年が出会う、運命の第一部!

死罪を言い渡された母を牢から逃がしたために、兵士から追われ負傷したハギは、ウンヌと異世界が繋がった森で透流に助けられる。透流の家で目覚めたハギは「ヒトはマノモノ」と怯えるが、介抱されるうちに徐々に心を開き自分たちの世界の話を始める……。絶対権力者のミド、厳しい階級社会、「ヒト」は恐ろしい存在で言葉にしただけで口が腐る、と言われていたこと。ミドさまが「マノモノ」から村を守っていると言われている事。そのミドさまの飲み水を汲む母親がわずかな過ちで死罪を言い渡されたこと。「おかかが殺されてしまう。おかかを助けて」ハギの必死の訴えに透流はウンヌの里へ戻ることを決める。自分がハギに出逢うために雲濡にきたことを悟る透流だった……。二人は、目の前に現れた梟の声に導かれて森の奥深くに入っていった。
大人気作家のファンタジー大作、第二部!

亡き父の生まれ故郷雲濡で不思議な少年ハギと出会った透流は、異世界「ウンヌ」の存在を知る。そこは白い髪青い肌青い目を持つ人々が住む厳しい階級社会で、絶対統治者のミドが治める世界だった。彼らは外の世界に住む透流たちを「マノモノ」と恐れ忌んでいた。しかし死刑になりそうな母親を透流とともに救いだしたハギは、ミドから間違った世界観を教え込まれていたことを知る。透流は味方になってくれた警備兵カクテたちとミドの屋敷に捕えられてしまう。一方逃げ延びたハギは村に戻り、ミドによって自分たちがだまされていたこと、もっと自由に生きられることを村人に説くのだった。ミドの正体は何者なのか、なぜ透流はウンヌに呼ばれたのか? ファンタジー大作、ついに完結!



あっという間に読んだ。面白かったが、超サクサク読めるほどに中身が軽い。NO.6ぐらいの奥深さを期待したが、このボリュームではいたしかたないか。もう少し冊数を増やしてでも重厚に書いてくれてもいいのに。
しかし、この物語の舞台になっているウンヌというところは今の日本に似てないかい。格差社会、ワーキングプア、閉塞感、政治不信、数え上げたらきりがない。小説の中も大変だったけど今の日本で生き残るには相当なサバイブ能力が必要だ。6点。