ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「魚舟・獣舟」 上田 早夕里読了!

2017年04月19日 19時20分25秒 | 作家 あ行
魚舟・獣舟 (光文社文庫) 2017.4.19読了。
上田 早夕里 (著)

現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。そこに存在する魚舟、獣舟と呼ばれる異形の生物と人類との関わりを衝撃的に描き、各界で絶賛を浴びた表題作。寄生茸に体を食い尽くされる奇病が、日本全土を覆おうとしていた。しかも寄生された生物は、ただ死ぬだけではないのだ。戦慄の展開に息を呑む「くさびらの道」。書下ろし中編を含む全六編を収録する。


読んでるうちに、気づいた。これは読んだことある。ストーリーはまったく憶えていないが、このプロットはどれもこれも既読だ。そういえば、この本が発売された10年前、新刊で読んでいることを思い出した。全部読み終わってからね。ま、それはそうと、なかなかおもしろいSF短編集だった。しかし、表題作の「魚舟・獣舟」はあまりにもスケールが大きな作品で、短編としてまとめてしまうにはもったいない作品だと思う。(その後、この短編を元に長編が書かれたという話をきいて納得した。)…6点。

「押入れのちよ」 荻原 浩読了!

2017年04月12日 21時14分00秒 | 作家 あ行
押入れのちよ (新潮文庫) 2017.4.12読了。
荻原 浩 (著)

失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。



ホラー短編集。どれもこれもレベルが高い。面白くないものなんかなかった。さすがは、短編の名手。
なかでも、「押入れのちよ」は、女の子の幽霊のキャラクターだけで、終始笑ったり、泣いたり。不思議な魅力満載の小説です。あまりに、「ちよ」が、いとしくて、続けて二度読んでしまった。安らかに成仏してください。…8点。

「次の時代を、先に生きる。」 - まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ - 髙坂 勝読了!

2017年04月07日 22時39分39秒 | 作家 か行
次の時代を、先に生きる。 - まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ - 2017.4.7読了。
髙坂 勝 (著)

もう、やめよう。できもしない成長を目指す、無理ながんばりをやめて、幸せこそを目指そう。経済成長なんてクソ喰らえ。その神話から、イデオロギーから脱出しよう。今までの暮らしを、Re Lifeし、働き方を、Re Workし、人生を、Re designする時が来ている。ただ消耗させられる「消費者」から、仕事も、食べ物も、住まいも、エネルギーも自ら創り上げる「クリエイター」へ。 次の時代を、先に生き始める君が、今迷う誰かの未来になる。時代を変えてゆく一人になる。「減速して自由に生きる ダウンシフターズ」の髙坂勝が送る、新たな経済と人生の教科書となる1冊。



経済成長すれば問題が解決し、みんなが幸せになるという誤った常識を、覆してくれる本。
これからは経済成長できないし、そもそも経済成長など必要ない。経済成長をめざすからすべての不幸が生まれているということをこの本に教えてもらったよ。わかりやすくて、納得できた。…7点。

「終末のフール」 伊坂幸太郎読了!

2017年04月07日 00時56分08秒 | 作家 あ行
終末のフール (集英社文庫) 2017.4.6読了。
伊坂 幸太郎 (著)

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。



残り3年余りという時間の中で、人はどうやって生きていくのかというお話。
やっぱり、普通に日常の幸せを最終的には求めるんだと、この本の中には書いてある。
ちょっと、癌とかの余命宣告にも似ていますね。
今日という日は残された日々の最初の一日。だそうです。色々と考えさせられちゃいました。…6点。