ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「日輪の遺産」 浅田 次郎 読了。

2011年08月23日 16時25分10秒 | 作家 あ行
「日輪の遺産」 浅田 次郎 (講談社文庫)  2011.8.23読了。


●勝手に採点 8点(10点満点です) 


●あらすじ

帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価200兆円の財宝。老人が遺(のこ)した手帳に隠された驚くべき真実が、50年たった今、明らかにされようとしている。財宝に関わり生きて死んでいった人々の姿に涙する感動の力作


●読後の感想

◎「今の、この日本という平和な国こそが、日輪の遺産なんだ」

平和なこの国に生まれ、現代社会を安穏と生きる日本人よ、あんたら絶対忘れてはいけない過去があるんだよ。まず、日本人としてこの本を読んでくれ。(もちろんミステリーとして読んでも大変おもしろいけどね)

「限りなく透明に近いブルー」 村上 龍 読了!

2011年08月18日 15時10分35秒 | 作家 ま行
「限りなく透明に近いブルー」 村上 龍  (講談社文庫)  2011.8.18読了。


●勝手に採点 6点(10点満点です) 


●あらすじ

福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。
第19回群像新人文学賞。第75回芥川賞。


●読後の感想

◎「30年振りの再読なれど…また今回もよくわからない芥川賞受賞作品」

酒、タバコ、ドラッグ、暴力、セックスと退廃的にガチャガチャやってるんだけど、遠くでやってるような、何が目の前で起こっていてもどこか非現実的な感じがする。なんだろ、この静けさは…。限りなく透明に近いブルーってつまり透明だからかな(たぶん的外れ)。

「暗いところで待ち合わせ」 乙一  読了!

2011年08月09日 15時10分21秒 | 作家 あ行
「暗いところで待ち合わせ」 乙一  (幻冬舎文庫)  2011.8.8読了。


●勝手に採点 7点(10点満点です) 


●おおざっぱ(じゃないじゃん)なあらすじ

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。


●ひとこと(じゃないじゃん)感想

◎「せつなく、やさしい、ミステリー仕立ての恋愛小説」

細やかな感情の描写がうまい。主人公たちの繊細な感情がせつなく、やさしく描かれている。ミステリーとしての結末も秀逸。

「コインロッカー・ベイビーズ」 村上 龍 読了!

2011年08月05日 15時23分57秒 | 作家 ま行
「コインロッカー・ベイビーズ」(上・下) 村上 龍 (講談社文庫) 2011.8.4読了。


●勝手に採点 8点(10点満点です) 


●おおざっぱ(じゃないじゃん)なあらすじ

コインロッカーを胎内としてこの世に生まれ出たキクとハシ。罪の子ふたりの心に渦まく愛と憎悪。廃墟と化した東京の上空に、華やかなステージに、そして南海の暗い海底に強烈な破壊のエネルギーがほとばしる。巨大な鰐を飼う美少女アネモネの願いは? 破壊の意志を持つというダチュラの凶々しき響き。果してダチュラとは何か? そして、巨大な暗黒のエネルギーがもたらすものは?


●ひとこと(じゃないじゃん)感想

◎「自分の欲しいものが何かわかってない奴は、欲しいものを手に入れることができない」
村上龍の代表作だな…やっぱり。
ハードル上げて読んだけど、最初から最後まで村上龍ワールド全開でよかった。
村上龍を初めて読む人に薦める。
1980年代以降の時代背景なのに、描き出される風景がなんか近未来的なんだよな。
引きこもる内向性のハシ、エネルギーをもてあまし、常に疾走するキク。自閉と破壊。
この小説に自分のイメージはついてゆけず、次の場面、次の場面と気持ちを整理して読んでいかなければならず、なんか痛かったり、苦しかったりと、…疲弊したりもした。(そんで、読後感ちょっと爽快ってどういう本だよ?)
また、例によってまともな人間が一人も出てこないので当然誰にも感情移入できないところもgood! あ、二人の里親の和代はまともだったなぁ…そういえば。
しかし、まとまりのない感想だな。

自分が10代の頃に読んでいたら、人生観になんらかの影響をうけたんじゃないかな? なーんて思える小説。