ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「ぼっけえ、きょうてえ」 岩井 志麻子 2015.9.29読了!

2015年09月29日 17時53分06秒 | 作家 あ行
ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫) 2015.9.29読了
岩井 志麻子 (著)

―教えたら旦那さんほんまに寝られんようになる。…この先ずっとな。時は明治。岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた…。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。


明治の岡山が舞台の土俗的なホラーというよりは怪談話。
文章から当時の因習や、情景が沸きあがってくる。
怖い!怖い!という感じではなくてひたひたと押し寄せるいやな感じ。
むかしの日本の田舎にはいっぱいこんな話があったんだろうな。とつくづく思わせてくれます。…7点。

「粘膜人間」 飴村 行 (著) 20015.9.26読了!

2015年09月28日 10時52分29秒 | 作家 あ行
粘膜人間 (角川ホラー文庫) 20015.9.26読了
飴村 行 (著)

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。その暴力に脅える長兄の利一と次兄の祐太は、弟の殺害を計画した。だが圧倒的な体力差に為すすべもない二人は、父親までも蹂躙されるにいたり、村のはずれに棲むある男たちに依頼することにした。グロテスクな容貌を持つ彼らは何者なのか?そして待ち受ける凄絶な運命とは…。第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞した衝撃の問題作。



独特の世界観があり、ふしぎに昔話し的な。
とはいっても、グロですが。

河童の兄弟を雇って、弟を殺そうとするお話。(なんだそりゃでしょ)
ホラーというには怖くもないし、ミステリーでもサスペンスでもないし。
やっぱり、自分的にはグロい童話という位置づけかな。

ただ、この『粘膜人間』ってタイトル、いいよねぇ~(うまい!って感じ)。
読んでみても、どこにも粘膜人間出てこないけどね。…6点。

「リカ」 五十嵐 貴久 2015.9.25読了!

2015年09月25日 13時09分48秒 | 作家 あ行
リカ (幻冬舎文庫) 2015.9.25読了
五十嵐 貴久 (著)

妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐るべき“怪物”だった。長い黒髪を振り乱し、常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。その狂気に追いつめられた本間は、意を決し怪物と対決する。単行本未発表の衝撃のエピローグがついた完全版。第2回ホラーサスペンス大賞受賞。



出会い系にこんな女が…。
主人公がどんどん精神的に追い詰められる過程が怖い。
リカは確かに怖いが、リカの容姿よりも、心の闇が怖いのに、
なんでこうなったのか、説明不足では。
いったい、この女、人間なのか?
ゾンビですっていうなら、いいけど、そんなことはどこにも書いてない。
人間だとしたら、なぜ、胸と腹に致命的な銃弾を受けて、
搬送中の救急車から、警官と、隊員など3名を殺害し、逃走できるのか?
誰か、説明してくれ? 面白かったけど。…7点。

「楽園」  鈴木 光司  2015.9.24読了!

2015年09月24日 17時11分39秒 | 作家 さ行
楽園 (角川文庫) 2015.9.24読了
鈴木 光司 (著)

太古のゴビ砂漠。部族の若者ボグドは、美しき少女ファヤウを自らの力で迎え入れ、夫婦となるが、他部族の襲撃により引き裂かれてしまう。ボグドは、遙か彼方に連れ去られた妻の姿を求め、一人旅立つが…!?そして、舞台は18世紀南太平洋、現代アメリカの地底湖へ。時空を超えた愛の邂逅と、戦うがゆえに手にできる“楽園”の意味を壮大に描く、日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作にしてデビュー作。



この小説は3部構成になってるんだけど、1部は太古のモンゴル。
2部が18世紀頃南海の孤島。
そしてクライマックスの第3部は現在のアリゾナの砂漠の地底湖。
そして、自分は1部が最高!、2部がまあまあ、3部がつまらないと、クライマックスに向かってどんどん面白くなくなるという、なんとも盛り上らない読後感となってしまった。
全体的には及第点ではあるが(えらそうでごめん)尻つぼみの展開にはなんかもったいなさが残る。しかもこれファンタジーかなぁ。…5点。

「格差社会で金持ちこそが滅びる」  ルディ― 和子  2015.9.24読了!

2015年09月24日 16時31分57秒 | 作家 ら行
格差社会で金持ちこそが滅びる (講談社+α新書) 2015.9.24読了
ルディ― 和子 (著)

日本人はウェットでアメリカ人はドライ、日本人は優しくて思いやりがあふれる……巷あふれる日本人論は本当なのだろうか? 気鋭のビジネス評論家が人類の起源、国際慣習から「常識のウソ」を突き、真の成功法則と日本人像を提言する!



日本人とアメリカ人ついての勘違い、贈り物やプレゼントのこと、人類皆平等の話、日本企業内の嫌がらせ、意地悪の話などなど。
確かに格差社会と富裕層の話などもありますが、どちらかというと、日本人マーケティング論という感じの本でした。
題名で買った人はなんだこれってなると思います。…3点。

「まだ、タバコですか?」 宮島 英紀 (著) 20015.9.18読了!

2015年09月18日 14時01分00秒 | 作家 ま行
まだ、タバコですか? (講談社現代新書)
宮島 英紀 (著)

『禁煙セラピー超える理論編、ついに完成 「やめたいけど、やめられない」喫煙者7割の本音を揺さぶるデータの数々。軽いタバコも実は安心できない。喫煙歴30年の担当編集者も本書を読んでやめました。



アマゾンの紹介文はちょっと、俗っぽいけど…。

この本は、良書です。いろんな角度からタバコのことが書かれています。

禁煙本やタバコ系暴露本をたくさん読んできた私が言うんだから間違いありません。
なんか、この本を読んで、はじめて禁煙セラピーを読んで禁煙しようと思ったときの気持ちを思い起こしました。
この本は、禁煙本ではないんですけどね。ちょっと違った感じで。

タバコをとりまく、いろいろな真実がわかる本だと思います。…7点。

「殺人勤務医」 大石 圭 2015.9.17 読了!

2015年09月17日 16時55分41秒 | 作家 あ行
殺人勤務医 (角川ホラー文庫) 2015.9.17 読了
大石 圭 (著)

中絶の専門医である古河は、柔らかい物腰と甘いマスクで周りから多くの人望を集めていた。しかし彼の価値観は、母親から幼いころに受けた虐待によって、大きく歪んでいた。食べ物を大切にしなかった女、鯉の泳ぐ池に洗剤を撒いた男。彼は、自分が死に値すると判断した人間を地下室の檻に閉じ込め、残忍な手段で次々と殺していく。猟奇の陰に潜む心の闇をリアルに描き出した気鋭の衝撃作。


面白かった。さくっと読めるし。
さくっと読めるのは別に好きじゃないけど。

なんだろ、読み終わったとき、ちょっと、変な感じに。
主人公は十何人かの人を殺しているんだけど。
堕胎専門の産婦人科医で、今まで、2000何人の胎児を殺しているわけだ。

なんだろ、これ?
生まれてこれる胎児は全体の60パーセント。
残りの胎児は堕胎されている(ちょっと違うけど殺されている)。
その数、日本で35万人(年)。

人間は、地球の誕生から46億年の中を一瞬(100年足らず)生きている。
生まれてきても、存在はほんの一瞬。
生まれていても、生まれていなくても、たいした変わりはないのか?

なーんて、書いてあるんだよ、この本には。

そーなると、仕事で2000人も堕胎している主人公はたかが十何人殺してもたいしたことではないのではないのか?

法、道徳、モラルとかよくわかんなくなるんだよね。…7点。


「天使の囀り」 貴志 祐介 2015年9月16日読了!

2015年09月16日 13時47分32秒 | 作家 か行
天使の囀り (角川ホラー文庫)
貴志 祐介 (著)

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。


貴志さんの作品初読みでした。
小説として、大変面白く、満足は満足なんですが、
ちょっと、あらすじやレビューで自分を煽りすぎていたのでしょうか?
こんなもんか?という感じで読み終わりました。
テーマはとても面白いのに、なんか盛り上がんない。
最後のエピソードも、そこそこ読めてしまうし、警察に出頭してすべて話すというのも興ざめかも。

どうしても、アマゾンからはじまるお話しは、なんかもっと壮大じゃなきゃいかんよな。とか。
まあ、かってな、アマゾンから始まる話し好きなだけですが。

グロさに関しては全然。
こんなの自然の摂理の範疇です。…7点。

殺戮にいたる病 我孫子 武丸 (著)  2015年9月9日読了。

2015年09月14日 15時37分19秒 | 作家 あ行
殺戮にいたる病 (講談社文庫) 2015年9月9日読了。
我孫子 武丸 (著)

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。


最後のページを読んでキョトンとなり。
えーっ、そうなのー?となり。
それならばと、最初から読み返し、
つじつまがあうのか検証作業に入ります。
もう一回読まなければとなります。…7点。

「アンボス・ムンドス―ふたつの世界」 桐野 夏生 読了!

2015年09月08日 14時32分53秒 | 作家 か行
「アンボス・ムンドス―ふたつの世界」 文春文庫 桐野 夏生  2015.9.7読了 。

不倫相手と夏休み、キューバに旅立った女性教師を待ち受けていたのは非難の嵐だった。表題作の他、女同士の旅で始まった生々しい性体験告白大会、若い女の登場に翻弄されるホームレスの男達、など七つの短篇を収録。女性の奥底に潜む毒を描き、直木賞受賞以降の刺激的かつ挑戦的な桐野文学の方向性を示す。


桐野さんらしい女の毒がつめこまれた短編集。
こういうの書かせるとうまいですよね。
なんか独特の世界観。いやなかんじ。
最初の「植林」がおれ好きだなぁ …6点。