ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「柔らかな頬」上・下 桐野夏生

2022年09月30日 18時40分16秒 | 作家 か行
柔らかな頬(上・下) (文春文庫) 2022.9.30読了。
桐野 夏生 (著)

私は子供を捨ててもいいと思ったことがある――。衝撃のラストが議論を呼んだ直木賞受賞作。カスミには、家出して故郷の北海道を捨てた過去がある。だが、皮肉にも北海道で幼い娘が失踪を遂げる。じつは夫の友人・石山に招かれた別荘で、カスミと石山は家族の目を盗み、逢引きを重ねていたのだ。罪悪感に苦しむカスミは一人、娘を探し続ける。四年後、元刑事の内海が再捜査を申し出るまでは――。

私は子供を捨ててもいいと思ったことがある――。衝撃のラストが議論を呼んだ直木賞受賞作。野心家の元刑事・内海も、苦しみの渦中にあった。ガンで余命半年と宣告されたのだ。内海とカスミは、事件の関係者を訪ね歩く。残された時間のない内海は、真相とも妄想とも夢を見始める。そして二人は、カスミの故郷に辿り着いた。真実という名のゴールを追い続ける人間の強さと輝きを描き切った最高傑作!




まさか、犯人がわからないとは、、、たしかに推理小説じゃないということは読み終わってみれば理解できるが、最初はだれが犯人で、伏線はこれじゃないか、事件の真相はこうで、とか考えなが読んだ。そして訪れただれが犯人かわからずじまいのラスト、真犯人も事件の真相も霧の中。確かに小説としてはまあ面白いのだが、、、人間の身勝手さは計り知れない、だから誰が犯人でもおかしくないということなのか。6点





「ダーク」上・下 桐野夏生

2022年09月16日 19時56分29秒 | 作家 か行
ダーク (上・下) (講談社文庫) 2022.9.16読了。
桐野 夏生 (著)

「私の中の何かが死んだ」出所を心待ちにしていた男が四年前に獄中自殺していた。何も知らされなかった村野ミロは探偵を辞め、事実を秘匿していた義父を殺しにいく。隣人のホモセクシャルの親友。義父の盲目の内妻。幼い頃から知っている老ヤクザ。周囲に災厄をまき散らすミロを誰もが命懸けで追い始めた。
「朴美愛(パクミエ)」偽造パスポートを手に入れたミロは海峡を越え韓国に渡る。偽ブランド品を手がける現地の男と即座に愛人契約を結ぶが、彼は自分の身代わりとなって撃たれ下半身の自由を失ってしまう。深い愛情で結びついた二人は復讐を決意した。覚醒剤、レイプ、殺人。善悪を超えて世界を圧倒する壮絶な魂の遍歴。



たしか、初めて読んだときはミロやその他の登場人物の変わりように嫌悪感を抱いたはずだったが、再読の今はそれがない。終わりや変化がなければ次のステージには進めない、これあったからのちの名作も次々と生まれてきたのだろう。ミロシリーズはこれにて完結、シリーズを壊す必要があった。ダークなミロシリーズ完結編、大変面白かった。7.5点

「ローズガーデン」 桐野夏生

2022年09月12日 20時08分13秒 | 作家 か行
新装版 ローズガーデン (講談社文庫) 2022.9.11読了。
桐野夏生 (著)

高校二年生のあの日。薔薇(ばら)が咲き乱れる自宅のベッドで、ミロの口から「義父と寝た」という驚くべき話を聞かされた。「俺」は激しい嫉妬に囚(とら)われ興奮した──。ジャカルタで自殺した前夫・博夫の視点で、村野ミロの妖艶な青春時代を描いた表題作など、4つの事件簿からなる短篇集。「ミロシリーズ」第3弾!



「ミロシリーズ」第3弾!でございます。これはたぶん読んだことないですね。よって、再読ではありません。その当時、これ短編集だし、本筋とはたぶん関係ないだろうとということで、脇によけといた部類ですね。今回読んでみましたが、たぶん、当時の私正しい判断だったと思います。たぶん、これ関係ないです。何と関係ないかはアレですが、本としては面白くないわけじゃないのですが、とにかく飛ばしていいと思いました。5点


「天使に見捨てられた夜」 桐野夏生

2022年09月09日 15時10分36秒 | 作家 か行
AVでレイプされ、失踪した一色リナの捜索依頼を受けた村野ミロは、行方を追ううちに業界の暗部に足を踏み入れた。女性依頼人が殺害され、自身に危険が及ぶ中、ようやくつかんだリナ出生の秘密が、事件を急展開させる。乱歩賞受賞直後に刊行された圧巻の社会派ミステリー。「ミロシリーズ」第2弾!



ミロシリーズ第二弾でございます。こちらも再読なんですが、ほんとすっかりなんにも覚えていない。いいですね。ミロシリーズ!この第二弾は前作より好きですね。女流作家が、女探偵を主人公に書いている独特のこの雰囲気が良いです。8点

「顔に降りかかる雨」 桐野夏生

2022年09月06日 15時04分05秒 | 作家 か行
新装版 顔に降りかかる雨 (講談社文庫) 2022.9.6読了。
桐野 夏生 (著)

親友の耀子が、曰く付きの大金を持って失踪した。夫の自殺後、新宿の片隅で無為に暮らしていた村野ミロは、共謀を疑われ、彼女の行方を追う。女の脆さとしなやかさを描かせたら比肩なき著者のデビュー作。江戸川乱歩賞受賞!




再読だが大雑把なストーリーを覚えていただけだったので、大変面白く読めた。最後の真相もまったく覚えていなくて、「えっ!」ってなったくらいだ。これがミロシリーズ第1作か、、、なんか感慨深いものががあるよね。なんかこの後ミロさんどんどん変わっていってしまって読む気がなくなってしまったんだよな。今回はどうだろ?6.5点

「水の眠り灰の夢」 桐野夏生

2022年09月01日 16時55分41秒 | 作家 か行
新装版 水の眠り 灰の夢 (文春文庫) 2022.9.1読了。
桐野 夏生 (著)

東京オリンピック前夜の熱気を孕んだ昭和38年9月、地下鉄爆破に遭遇した週刊誌記者・村野は連続爆弾魔・草加次郎事件を取材するうちに、女子高生殺しの容疑者に。高度成長の歪みを抱えたまま変貌する東京を舞台に、村野が炙り出したおぞましい真実とは。孤独なトップ屋の魂の遍歴を描いた傑作ミステリー。



昭和の雰囲気がいい感じだし、なにせこの村野という主人公がカッコイイ。そしたら、村野ミロの義父だというじゃないですか?なるほどねぇ。ミロシリーズをもう一度読み直してみるきっかけになった。7点