ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「ブルータスの心臓」 東野圭吾

2022年12月22日 15時50分19秒 | 作家 は行
ブルータスの心臓 (光文社文庫) 2022.12.22読了。
東野 圭吾 (著)

産業機器メーカーで人工知能ロボットの開発を手がける末永拓也。将来を嘱望される彼は、オーナーの末娘・星子の婿養子候補になるが、恋人・康子の妊娠を知り、困惑する。そんな矢先、星子の腹違いの兄・直樹から、同僚の橋本とともに、共同で康子を殺害する計画を打ち明けられ…。大阪・名古屋・東京を結ぶ完全犯罪殺人リレーがスタートした。傑作長編推理。



完璧な計画がいきなり破綻しスタート。だれが犯人なのかわからないまま終盤まで一気に読まされる。刑事たちの地道な捜査などもあってだんだん事件は真相にというところで、先にこいつ(誰か)が犯人を突き止める。そこには思わぬ動機が!人はそれぞれ欲を抱えて生きている。6.5点。

「ダイイング・アイ」 東野圭吾

2022年12月16日 17時31分34秒 | 作家 は行
ダイイング・アイ (光文社文庫) 2022.12.14読了。
東野 圭吾 (著)

雨村慎介は何者かに襲われ、頭に重傷を負う。犯人の人形職人は、慎介が交通事故で死なせた女性の夫だった。怪我の影響で記憶を失った慎介が事故について調べ始めると、周囲の人間たちは不穏な動きを見せ始める。誰が嘘をつき、誰を陥れようとしているのか。やがて慎介の前に妖しい魅力に満ちた謎の女が現れる。女の正体は、人形職人が甦らせた最愛の妻なのか?




謎が謎を呼び、ページをめくる手が止まらない。まさに一気読み。東野さんは面白いけど、こんなに面白かったっけ? 再認識させられた一冊。7.5点。

「犯人のいない殺人の夜」新装版  東野圭吾

2022年12月13日 14時24分16秒 | 作家 は行
犯人のいない殺人の夜 新装版 (光文社文庫) 2022.12.13読了。
東野 圭吾 (著)

親友が屋上から落ちて、死んだ。自殺と思えない「俺」は当時の様子を探り始めるが…。(「小さな故意の物語」)直美は死ぬ直前にビデオメッセージを残した。その理由とは…。(「さよならコーチ」)岸田家の中で殺人が起きた。しかしそこには、死体もなければ犯人もいない…?(表題作)渦巻く人間の欲望を描いた全七編を収録。エンタメの頂点を極めた著者が贈る、珠玉の短編集



「小さな故意の物語」「闇の中の二人」「踊り子」「エンドレス・ナイト」「白い凶器」「さよならコーチ」「犯人のいない殺人の夜」の7つの短編で構成されている。どれも初期の作品らしいが読んでみるとやはり東野さんだとわかる。ストーリーのその奥にもう一つの深みがある。このころから変わっていない。7点。

「優しい死神の飼い方」 知念実希人

2022年12月07日 17時04分59秒 | 作家 た行
優しい死神の飼い方 (光文社文庫) 文庫 2022.12.7読了。
知念 実希人 (著)

犬の姿を借り、地上のホスピスに左遷…もとい派遣された死神のレオ。戦時中の悲恋。洋館で起きた殺人事件。色彩を失った画家。死に直面する人間を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていくレオ。しかし、彼の行動は、現在のホスピスに思わぬ危機を引き起こしていた―。天然キャラの死神の奮闘と人間との交流に、心温まるハートフルミステリー。




まず、タイトルがいい。タイトルだけで読み始めちゃう。死神が犬の中に入ってバラバラの肉体と精神とにバランスをつけ、そして、興味のなかった人間に犬ならではの親近感で好感を抱いていく様は滑稽であり、そして楽しい。ミステリーとしては中途半端かもしれないが、ハートフルファンタジーとして十分面白いんじゃないか。6点。

「花のあと」 藤沢周平

2022年12月06日 16時05分34秒 | 作家 は行
花のあと (文春文庫) 2022.12.6読了。
藤沢 周平 (著)

娘盛りを剣の道に生きた武家の娘、お以登にも、心中ひそかに想う相手がいた。部屋住みながら道場随一の遣い手・江口孫四郎である。女剣士の昔語りとして端正に描かれる異色の表題作のほか佳品七篇(「鬼ごっこ」「雪間草」「寒い灯」「疑惑」「旅の誘い」「冬の日」「悪癖」)。




どの短編もいい。味わいがある文章、ほっとするラストが多くて良かった。6点。