9月に入ってRSウイルス感染症が急増していますが、それに伴って一部の保育園などが保護者に「RSウイルスの検査を受けてくるように」と指導しているようです。
しかし残念ながらRSウイルスの検査は、0歳児と入院中を除いては健康保険を使って行うことが出来ません。
「じゃぁ、検査費用だけ自己負担すればいいのでは?」と考える方もいるかも知れませんが、残念ながら「混合診療」に該当するため出来ない決まりになっています。
この混合診療と言うのは「健康保険の範囲内の分は健康保険で賄い、範囲外の分を患者さん自身が費用を支払うことで、費用が混合すること」を指していて、一部の例外(国が認めた先進医療、該当する疾患の診療と無関係の疾患に対する検査や処方など)を除いては、健康保険の範囲外の費用を医療機関が無料で行うか、逆に関連する全ての費用(診察料や処方箋料、後日の経過観察の受診も含む)を患者さんが全額自費で支払うかのいずれかになります。
このことはノロウイルス検査(3歳未満か65歳以上、または悪性腫瘍など特別な疾患を有している場合のみ保険適用)についても同じです。
また、年齢等の適用対象の問題とは別に、療養担当規則によって「各種の検査は診療上必要があると認められる場合に行う。また、検査は、診療上の必要性を十分考慮した上で、段階を踏んで必要最小限に行う。」とされているので、単に患者さんの希望があるからという理由だけで検査をすることは認められていません。
感染を心配する気持ちは理解できますが、それ以上に大切なのは「病状を正しく把握して治療方針を立てること」ですから、お互いが納得できる診療を行いたいものです。
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