8 (猫いらず)
今日も天気が良いので、朝から散歩に出かけた。歩いていると、
タマ:「クロちゃん見かけなかった?」
私:「昨日も、今日も見かけていないよ!」
タマ:「そうか?私、ここのところ、クロちゃんを見かけないので、気になって、近所の猫に声を掛けてみたが、やはり見かけていないって!
私:「何か心配になるようなことがあったの?」
タマ:「一昨日、近所の犬が死んだんだ。まだ若くて元気だったのに突然だったらしい。何か悪い物でも食べただろうかと噂しているのよ。」
私:「そう言えば、うちのオヤジが誰かが猫いらずを畑に置いたらしいから、気を付けろ!と言っていたよ!」
タマ:「え?」
私:「もしかしたら、猫いらずを食べたネズミでも捕って食べてしまったのかも知れないよ。」
タマ:「そうなのか?私心配んなってきたよ!」
私:「犬ならば、何かあると、飼い主が気づいて手当てするんだけど、私ら猫は、具合が悪くなると、身を隠してしまうからね。何かの時に、骨になって発見されるが、もうそうなっては誰なのかもさっぱり分からないからね」
タマ:「ふーん。何かわかったら教えてね!」
私:「良いよ!私の知り合いの猫にも声を掛けてみることにするよ!」
こうタマに言い置いて、タマと離れて、しばらく散歩を続け、我が家に向かった。家に近づいてくると、何やら美味しそうな臭いがしてきた。その臭いを嗅いだ途端に、腹がグウーと鳴った。何かお腹も空いてきた。もう昼飯時か、早く帰って、昼飯を食べることにしようと家の中に入っていった。