姉がトマトを送ってきてくれた。独り暮らしの私には、量が4キロと多い。トマトは傷みやすく賞味期限は短い。とても食べきれるものではない。そこで、隣にある喫茶店「ねずみ」に持って行き、いつも喫茶店で顔を合わせている人たちにお裾分けすることにした。
この喫茶店には、常連客が寄ってきて、日常的なことをしゃべって帰って行く。そんな中で、いつも顔を合わせるような人もできる。そんな中、旅行へ行った土産とか、どこそこで美味しいものを見つけたといっては持ってきて、お裾分けしていく。話といっても、たわいもないような、ローカルな、地元の、どこどこにお店が出来たとか、廃業したとか、どこのだれが元気そうだったとか、はたまた親の日常や健康状態の話だったり。誰かが話して誰かが聞く。まあ、そんなものだ。
こんなことは、常連客だからこそありつけることができることなのだろう。今の時代、個々がバラバラになっていて、なかなか得にくい空間のように思われる。特に、独り暮らしで、話し合いい手に飢えている今の私には貴重な時間、空間のように思われる。