コロナの蔓延で、日本の社会が大きく変化した。社会生活の中で、基本的で変わらないだろうと思っていた風習、地域の集会等々が一気に変わってしまった。その変化に戸惑う人、非常に困っている人、あるいは、変わって喜んでいる人など、これも様々だ。
最近、入院生活を経験した。病室は集団室(一般病室)だ。一部屋6人収容だ。以前ならば、日中、カーテンは開かれ、井戸端会議に盛り上がるような雰囲気の部屋があったり、ちょっと変わった人がいして、それに気遣いシーンとして、息詰まるような部屋があったり、面会があったりすると、急に騒がしくなったり、それはそれは様々だった。ところが、コロナ感染防止が徹底され、カーテンは閉じられ、患者同士の会話はほとんどなく、当然、面会もない。患者同士で見栄を張るというような機会もない。病室は全く静かなものだ。
病室での生活は、人付き合いがどちらかというと苦手な私には、とても気の疲れることだ。そこで、その煩わしさを避けるため、あるいは多少、見栄を張りたい気持ちも出て、病室希望欄に「個室」と記載したことだろう。ところが、上記の変化があったおかげで、個室と変わらない快適な生活を送ることが出来た。要するに余分な他者への配慮が必要なくなった。これは、私にとって歓迎すべき変化だったように思う。