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最初にこの話を紹介したのは2012年、その後、2015年にも再掲しました。
改めて、読み返した記事です。
この話を見つけた時は、
目からうろこでした。
出典は探せなかったのですが、アラビアンナイトの時代からの話のようです。
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父が遺言で
「17頭のラクダを 長男は1/2、次男は1/3、三男は1/9分配するように」
と残し、亡くなりました。
しかし、17頭。
分配しようにも、割り切れません。
困った兄弟は、賢者に相談しました。
賢者は、
「自分の1頭のラクダを与えるから、それで3人で分けなさい」
と言いました。
18頭になったラクダを
父親の遺言通り、それぞれ
長男は1/2で、9頭
次男は1/3で、6頭
三男は1/9で、2頭
を受け取りました。
合計17頭の分配ができ、1頭が余りました。
そして、兄弟は余った1頭を賢者に返し、丸く納まりました。
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人から相談を受けた時、相談者と一緒になって同じところでグルグル回ってしまっていることがあります。
コンサルテーションチームの緩和ケアチームも同じです。
17頭の中に入って、兄弟と一緒に右往左往していたり、
不完全な父親の遺言ばかりに目が留まってしまっているような場合のことをさします。
相談者の悩みにどっぷりつかって付き合うことや
患者-主治医の中に入り込んでしまうことも、
時には、大切なことではありますが、
支援チーム、
支援者とは、
問題から一歩下がって、
全体が見渡せることや
視点を変えて
見えていなかったものに気が付くことができるかどうか
といった機能をもっていることは重要でしょう。
日常的な場合もあれば、
大きな例として、国際紛争など、
ゴールが混乱した問題解決などにも共通した実に示唆のある話でもあります。
一頭を与えたことで、みごとに問題が解決したこの17頭のラクダの話のように
現実では、ここまで見事な判断や提案ができることは難しいものです。
でも、困ったと感じる相談者に
依頼してよかったと思ってもらえるよう
知識はもとより、知恵や眼力を磨きたいものです。
木も見つつ、森も見ること。
多角的視野にたった援助。
これもチーム医療の醍醐味でしょうか・・
RENE RAUSCHENBERGERによるPixabayからの画像
読んでいて胸が熱くなり涙しました。
ラクダの話、見事な判断ですよね。
確かに現実は簡単には行かない事が多いのかもしれませんが…
私は父の病院で緩和ケア医に最初から最後まで寄り添っていただけたことに感謝しています。
緩和ケア…当初、私は患者だけのケアと思っていましたが、医師は家族のケアもしてくださいました。。。
特に母の精神面は傍で見ている私も心配してどうしたらいいか悩んで居ると、医師は私に声をかけてくださり、色々な相談をすることができました。
母と二人で話す機会も度々もってくださり、母も先生と話せて良かった…と不安がとれたようです。
父が亡くなって二ヶ月が過ぎた頃、買い物をしていた私に手を振る女性がいました。
近づいてみると緩和ケアの医師でした。
私や母を『その後どうしているか気になっていたんだ』と…
正直、驚きました。
患者は亡くなったら、そこで付き合いは終わりなのかな…と思っていた私に暖かい言葉をくれた医師に感謝とこれから生きる意味を頂いた気がしました。
私も遺族として、何かお役に立てることがあればお手伝いしたいと思っています。
先生も患者様の事をいつも思ってくださる様子が伝わり、心から頭がさがります。
これからもブログにお邪魔させていただきたいです。長文、まとまりのない文ですみません。。
若いです・・・
先生が熱心だから、それについて行こうとする意思表示なのではないかと思います。
少しうしろから眺めることも必要ですが、それは、何年かたって、後輩ができた時とか・・・みんなが一歩さがってうしろから眺めているようでは、それも困ります。
みんな、「若い」、「熱い」証拠です。
心配りをされた医師のささやかだけど細やかな配慮が、リョウさんの心に丁寧に届いていることが鮮明に伝わってきて、言葉にできないような嬉しさでした。
素敵な医師に出会ってくださって、本当に良かったです。
思いだけが強くて、突進してしまうのもいけませんが、ご指摘のように、後ろからついて行くだけでも困ったものです。
思いがあって、冷静な情熱があって、視野が広い・・なんて、理想です・・(中々そうもいきませんが・・)
とても温かなコメント、ありがとうございます!
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aruga