緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

社会的興味で書かれる記事?

2006年06月25日 | 社会時事

末期がんの女性、低栄養死 2カ月近く補給処置なし (共同通信) - goo ニュース

この記事を読むと、私が参加していた日本緩和医療学会で、大きな反響を呼んでいた発表ととれる。
が・・・・私が知る限り、学会会場で話題に上がっていた様子はない。

咽頭がんで飲み込めなくなって最期を迎えたこのケースの背景は良く分からないが、一般的に、このように、人工的な水分・栄養補給を望まず最期を迎えることは、患者さんご本人の選択肢に入りうるものである。ご本人が点滴などを希望していたにもかかわらず、それが医療として提供されていなかったとしたら、これは、大きな問題であるが、ご本人の選択であればその選択の中で、医療者はご本人が感じる苦痛を除去することに全力を挙げればそれで良いのではないかと思う。まして、希望されない医療を良かれとやってしまうことも問題であろう。それとも、この2ヶ月間、医療機関のサポートもなく(受けず?希望せず?)2ヶ月過ごしたことに問題があったのか・・

灯台もと暗しなのか、実際の場で起こっていることと、マスコミの興味とのギャップを感じる記事だった。人工呼吸器はずしの問題で、安楽死などのエシックス関連の報告を記事にしようと最初から準備していたのかなあと思う。学会に参加なさっていた方で、このニュースの背景をご存知の方いらっしゃるかしら?

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