人生は、手遅れの繰り返し

人生は、手遅れの繰り返し

須磨寺小池陽人さんが
あるお坊さんの言葉として

引用し紹介した言葉です。



つまり、これは、

人生は、後悔の連続

とも言えます。



もちろん、手遅れを後悔するかどうかは、
その人々で異なるとは思いますが。

緩和ケアでは
大切な人が亡くなった後での後悔が
医療面においてではありますが、
患者さんが亡くなる前にこそ
防げるものは
できるだけ少なくなるように行動していく
という姿勢が根底にあります。

一方で、後悔のない死別など
ないわけがない・・
というのも正直なところです。

ですから、
「ないわけがない」
けれど、
だから、「しょうがない・・」
ではなく、
少なくする努力をどれだけし、
ともに、悔やみ、
プロセスを共に歩むことができるかが
大切なことだと思います。



病状の悪化や死別など
この先起こるであろうことは
できることなら、
知りたくもないことかもしれません。

でも、この先に別れが来るなら、

言葉を交わす機会を取りこぼさないためにも
その時間が迫っていることを
知ってほしいこともあり、
辛い話し合いを避けることはできません。

それは、患者さん、ご家族だけではなく、
医療者自身もエネルギーを使い、
苦悩することです。



小池さんは
その時にはわからないことでも、
時間がたてばその意味がわかることもあるように、
人生は、後悔をすることの連続であり
だから、法要するのだ
と話されていました。


患者さんやご家族が
後になって、後悔している姿に、
巻き戻せない時間に痛みを覚えることがあります。
でも、小池さんの話を聞いて、
様々な後悔の中にあっても
何もできない、
時間がそれを希釈してくれることを待つ
といったことではなく
祈ることができるという
どこか、救われたような気持になりました。

祈りとは、
宗教的な行為を越えて
行きつくところは
自分を見つめ、
感じることなのだろうと思います。