緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

足音からシマウマ

2007年03月16日 | 医療

緩和医療は、がん患者における症候学でもあります。
嘔気・嘔吐の治療はありますか?
というコンサルテーションの依頼が来ることがあります。

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嘔気・嘔吐をみたら、何を考えるか・・
これが症候学たるゆえんです。

嘔気・嘔吐を見たら、幾つ鑑別診断を挙げることができるか。
その時、頻度が高いものから順に並べることができるか。

アメリカの研修現場で
「馬蹄の足音を聞いた時、シマウマを思い浮かべるな」
という格言があります。
足音を聞けば、まずありえる可能性が高い“馬”を考えなさい。
ということです。

嘔気・嘔吐を見たら、何故、嘔気がおこっているのか
他に考えられるものは?
思考を働かせながら
鑑別診断を挙げるトレーニングを積んでほしい・・

先日のコンサルトの一例
嘔吐の原因として可能性が高いものから

腸閉塞、高尿素窒素血症、腹水、高カルシウム血症、スクワッシュ症候群・・

対応策としては
サンドスタチン、メジャー(何て分類は最近しないですね・・)
NSAIDsとケタミン、ゾレンドロネート、ステロイド
それぞれ、挙げられればとるべき対応策が見えてくるでしょう?

嘔気だから、プリンペラン、ナウゼリンで改善しませんという前に
まず、病態整理だよ~

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2 コメント

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転移性脳腫瘍 (脳外科見習い)
2007-03-17 00:35:11
嘔吐症状があったとき、

神経症状が特になくても脳CTも撮って頂きたいです。

結構やみに葬られている方もいるのでは?
と思っています。

返信する
Unknown (aruga)
2007-03-17 23:13:41
救急など急性期やがん治療中の患者さんでしたらご指摘の通りですが、がん症状緩和期(終末期的な時期)では、検査を行うメリット・デメリットについて検討をする必要があると思っています。
返信する

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