「家族ががん入院しているんですけど、今の病院では何にもしてくれないんです。」
という電話を頂くことがあります。
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何もしてくれない・・ これは、違うと思うのです。 入院して医療やケアがまったくのゼロということはありません。 施されている内容が説明不足であったり、理解しきれていなかったり、もしかすると、希望しているものと異なっているのかもしれません。
「○○はよいのですが、××について相談にのってもらえないですか。」
ということであれば、よいのですが、まったく何もしてもらえないという電話の場合は、兎に角、今の医療機関で話し合うことを勧めます。 それでは、前に進まないようであれば、
「ソーシャルワーカーさんを尋ねてみてください」
など突破口になることをお伝えします。 色々な病院と交流があるものですから、お電話の方から了解があれば、事前に入院先の担当部署の方に話をしておくこともあります。
もし、何もしてくれないという感情を持ったときには、ちょっと立ち止まってみてください。
もし、何もしてくれないという相談があったときには、医療内容以前にコミュニケーションの問題などがないか目を配ってください。
こんな話をがん看護を専門になさっているある看護師さんにお話したら、奥様ががんの場合、ご主人がそのことを受け止めきれず、そうおっしゃることが多いように思うと話されていました。
なるほど・・と思います。 配偶者の疾病は、親子とはまた異なったストレス・悲しみなのだと思いました。
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すっごくせっぱ詰まっている状況だったのですが、何故か、余裕があるように私が見えるらしく、「ねぇねぇ、聞いてよ。」と患者さんのご家族から、結構話しかけられました。
ご家族も、先生に中々お話を切り出せない遠慮が確かにあると思いますし、素人なので、本当に最善の治療方法なのか等、解らないことてんこ盛り。
素直にお聞きしてしまえば済むことも、聞かないから疑心暗鬼。
ある60代男性が、癌の骨転移でたいそう痛みを訴えられたので、モルヒネが処方されておりました。
最初は、多めに点滴され、徐々に点滴量を減らしていき、痛くないぎりぎりの、最小量にしましょうと、隣にいた私にも聞こえてしまいました。
でも、何日かたって、「家の主人は寝てばっかりになってしまった。先生に申し上げると、モルヒネをもう少し減らしてみましょう。って言った。先生、量間違えたのよ。」なんておっしゃっていました。
私も全てを聞いていたわけではないのですが、この件は、奥様の勘違い。
私の実家は薬局でもあり、この話をしてみたところ、「痛みが取れないと困るから、定石では、モルヒネは多めにする物だ。患者さんを見ているわけではないので、うっかりしたことは言えぬがねぇ。」とのこと。
我が主人も、モルヒネを8ヶ月ほど欠かさず何かの形で投与されておりましたが、同じ先生にかかっていても全然不安でなかったのに・・・。と思っているのですが。
それと同じで、何もしてくれない!!も、本当に人それぞれ。先生に充分されているじゃないかと脇から見ていると、思えることが、その人にとっては何もされていないと言うことも多くありました。
それは自分においても、そうであると、反省しつつ、このコメントを書いています。
心に沢山の疑問を抱えながら、横の繋がりの中でそのように支えあわれていることを改めて教えていただいたように感じます。
私自身、何もしてくれないと感じた時は黄色信号だと思っています。例えば、家族は何もしてくれない・・などと思ったときは、何故そう感じるのか冷静に考えなければいけないと思うようになりました。
コメント、本当にありがとうございました。これからも、是非、いろいろお教えください。
病院(もしくは先生)が何もしてくれないと思ったことがなかった事は幸せ!