スーパー登山道(鹿道)が頂上台地まで・・・
ベッピリガイ山 (1307.7m)
(藪漕ぎ少なく南尾根にどこから登るかがカギ・・)
■ 山 行 日 2011年8月2日(火)~3日(水) 1泊2日
■ ル ー ト 神威山荘~ペテカリ山荘乗っ越(連絡路)
~ベッピリガイ沢川南面沢~南尾根 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №18
■ 登 山 形 態 沢登りスタイル
■ 地 形 図 1/25000地形図 「ピリガイ山」
■ コースタイム 登り 5時間30分 下り 3時間30分
<登り>
05:30 神威山荘1㎞手前駐車地出発
07:00 ベッピリガイ沢C510右岸林道
07:35 ベッピリガイ沢南面沢C590で入渓
C610付近から南尾根に取付く
08:00 南尾根南面C675から藪漕ぎ
08:50 南尾根上C835(鹿道)
09:35 C1010尾根合流点
10:35 頂上台地
10:55 ベッピリガイ山頂上 10:55
<下り>
11:25 下山開始
12:05 C1010尾根合流点
12:20 C835尾根上出合点
12:50 C600南面沢出合
13:30 ベッピリガイ沢C510右岸林道
15:00 駐車地
★ ベッピリガイ山・・・
ベッピリガイ山は、中日高の雄峰「中ノ岳(1519m)」の西方に位置する1300m峰の山で大展望が楽しめると言う隠れた秀峰かも知れない。以前からペテカリ岳を登る度に気になっていた1000m超峰でどうしたらこの山に登れるか情報を探っていたが、ネット上で検索してもこの山の山行記録は皆無に等しく「山の時計」名寄のEIZIさんの記録が唯一ヒットしただけである。ただ今回予定したルートとは違う南西沢から取付いていて猛烈な藪漕ぎを強いられての登頂だったようで私たちには無理と判断した。
残るは、八谷和彦氏が2006年に出版した「新刊ガイドブックにない北海道の山々」に掲載された「ベッピリガイ山」の記録である。南面沢を詰めるのでなく630二股から南尾根に取付いて尾根上の鹿道を辿るルートにエバ夫婦の可能性を見出した。
「とにかく行ける所まで・・・」がエバ夫婦のモットー。まずは登山口へ
★ 元浦川林道・・・
神威山荘に通じる元浦川林道は現在ゲートが開放されている。ゲート前の入林ポストに記入して快適も長い林道を走り自宅から3時間で到着した。入林ポストを見ると今日だけでも5組のパーティーが入山していてすべて「ペテカリ岳」となっていた。そこに「ベッピリガイ山」と記入する違和感がちょっとあった。
神威山荘に寄ると1組のツアーパーティーが外でくつろいでいた。明日「神威岳」に登るらしいが入林ポストには記載のないパーティーだった。ペテカリ岳のパーティー組はすべてその車は神威山荘より約1㎞手前のニシュオマナイ川出合の林道に駐車していた。ナンバープレートを見るとほとんどが本州ナンバーで九州が多かった。
私たちの車も林道脇に駐車し、早々安着の儀へと移行する。そして、20時には就寝した。
★ 快晴・・・
8/3 快晴の朝を迎える。車から神威岳の秀峰がくっきりと姿を見せていた。
快晴の早朝、駐車地から望む「神威岳」の秀峰
★ 登山道化・・・
ペテカリ山荘への道の通行止めは1995年8月からですでに16年間も続いている。一時的な復旧もあったが再び林道の崩壊などがあって通行出来なくなっている。しかし、工事関係者や地元の一部岳人は何故か山荘まで車で乗り入れているので林道の崩壊は復旧しているはずだ。しかし今では、ペテカリ山荘へのルートは浦河町から元浦川林道を辿り神威岳の登山口神威山荘から町境尾根を乗り越しベッピリガイ川右岸のペテカリ林道を経由する一昔前のエスケープルートが連絡路としてメジャーになっているようだ。
そのせいかここに来る度に地図読みをしながら辿った支流沢もしっかりと踏み跡があり沢の分岐にはテープや赤スプレーで印もされて地図要らずの登山道化になってしまった。重装備なら神威山荘からペテカリ山荘まで片道4時間を要するため目指す登山者には遠い山になっていたが日数と体力さえあればペテカリ岳も手が届く存在になっているかも知れない。
そんな登山道化した連絡路を日帰り装備だと1時間30分で乗り越しベッピリガイ沢の土場に着いてしまった。
連絡路途中の林道の先に見えるはもしやベッピリガイ山か?
乗り越し尾根へ最後の沢詰めとなる急登にて・・
★ カギ・・・
八谷氏の記録を参考に土場からベッピリガイ沢に出合うC510に着くと右岸に林道があり地形図に記載の無い道が上流に向かって延びていた。沢自体はすぐに涸れ沢状態となり本来なら535二股まで沢を辿る予定だったが、歩き易い右岸林道を辿る事にした。しかし、沢から少し離れ始め535二股より手前から北に延びながら徐々に廃道化していくのでC560付近から南面沢の西側にある小さな沢に入り北に進んだ。この沢はいずれ南面沢と合流するだろうと思ったが途中で源頭となったのでC590付近から南面沢に少しだけ藪を漕いで入渓した。
南面沢は倒木だらけの荒れた沢で歩きずらかったが、苔むした清流が流れいる。記録からこの先の630二股まで行く予定もC600付近で右岸の斜面に登り易い鹿道を見つけ取付く事にした。急斜面も鹿道は登山道のようにありがたくもしやこのまま尾根上まで延びているかな?と期待もする。しかし、C675付近まで登ると鹿道が消え背丈以上の笹薮漕ぎの羽目となる。標高差で約150m急斜面の笹薮をひたすら漕いでC835付近でようやく南尾根上に着いた。約50分間の藪漕ぎだった。
尾根上に着くとそこには記録通り明瞭な鹿道があり上に繋がっていた。休憩を取っていよいよアタック本番と気合を入れる。
確認はしていないが、尾根上の鹿道はもっと下からあるものと思われるので南面沢のどこからこの尾根に取付き藪漕ぎを少なくして尾根上に登れるか・・が、カギになるかも知れない。
尾根上の900m付近から目指すピークが顔を出す
時に腰から胸まである笹も足元は明瞭な踏み跡で迷う事はない
★ スーパー登山道は鹿道・・・
ところどころ笹が覆いかぶさるところもあるが、正にスーパー登山道と言いたくなるほどしっかりした踏み跡となった鹿道である。日高らしい急登の尾根に笹や灌木を掴みながらの登行だったが確実に高度を稼ぎ途中から望むピークが徐々に近くなると登頂への期待が大きくなって来る。そしてこの快晴の空である。展望の山としても今日は充分楽しめると思うと苦しい登りも苦ではなくなった。
★ 大展望・・・
835南尾根上の出合から約1時間45分でC1265付近の頂上台地に着く。左手(北西側)にこんもりとした頂上部が見えとうとうここまで来たか・・と自分たちを褒める。
鹿道はここで不明瞭となり頂上へは再び笹とハイ松漕ぎを強いられるが、15分で頂上に着いた。登る途中から背中には神威岳や中ノ岳、1445峰などが見えていて大展望の期待が膨らむ。
10:55 ベッピリガイ山 頂上
初登頂にはチーヤンと手を繋いで一緒に登る。ピンクのテープが一つだけ若い白樺の枝に付けられ、更に三角点を見つけて間違いなく頂上だと確信する。苦労して登りこの大展望に感激して抱き合って喜んだ。頂上は狭いが低い笹で何とか座って休むことは出来る。
まずは、この大展望を一緒に楽しんでほしい・・。
ベッピリガイ山の三角点
眼下のペテカリ沢を挟んで北東に聳える主峰「ペテカリ岳」
北に目を向けると分かり易い「1839峰」と「ヤオロマップ岳」
東には尾根続きの雄峰「中ノ岳」(左)と1445峰
朝の秀峰「神威岳」も間近に見える・・・
1839峰を背に大満足の初登頂である・・・
★ 満足の下山・・・
1000m付近のスーパー登山道・鹿道です。
僅か30分の滞在も大満足の下山である。
鹿道のある頂上台地まで直線的に笹とハイ松を漕ぐも下りは早く5分で着く。後は再びスーパー登山道を何度もコケながら滑るように降りると登りの約半分、1時間で835尾根上の鹿道出合に着く。そして登って来た笹薮の斜面に突入し南面沢まで30分で降りる。その後も辿って来た小沢や林道を戻り連絡路も登りと同じ1時間30分掛けると登山口の駐車地に着いた。
振り返ると雲行きが悪くなり朝見えていた神威岳は麓までガスで覆われ何も見えなくなっていた。本当にラッキーな一日を楽しんだと感謝したい。帰路では登山口から一番近い浦河町上野深の温泉「柏陽館」で汗を流し19:00無事の帰宅となる。
ベッピリガイ山 (1307.7m)
(藪漕ぎ少なく南尾根にどこから登るかがカギ・・)
■ 山 行 日 2011年8月2日(火)~3日(水) 1泊2日
■ ル ー ト 神威山荘~ペテカリ山荘乗っ越(連絡路)
~ベッピリガイ沢川南面沢~南尾根 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №18
■ 登 山 形 態 沢登りスタイル
■ 地 形 図 1/25000地形図 「ピリガイ山」
■ コースタイム 登り 5時間30分 下り 3時間30分
<登り>
05:30 神威山荘1㎞手前駐車地出発
07:00 ベッピリガイ沢C510右岸林道
07:35 ベッピリガイ沢南面沢C590で入渓
C610付近から南尾根に取付く
08:00 南尾根南面C675から藪漕ぎ
08:50 南尾根上C835(鹿道)
09:35 C1010尾根合流点
10:35 頂上台地
10:55 ベッピリガイ山頂上 10:55
<下り>
11:25 下山開始
12:05 C1010尾根合流点
12:20 C835尾根上出合点
12:50 C600南面沢出合
13:30 ベッピリガイ沢C510右岸林道
15:00 駐車地
★ ベッピリガイ山・・・
ベッピリガイ山は、中日高の雄峰「中ノ岳(1519m)」の西方に位置する1300m峰の山で大展望が楽しめると言う隠れた秀峰かも知れない。以前からペテカリ岳を登る度に気になっていた1000m超峰でどうしたらこの山に登れるか情報を探っていたが、ネット上で検索してもこの山の山行記録は皆無に等しく「山の時計」名寄のEIZIさんの記録が唯一ヒットしただけである。ただ今回予定したルートとは違う南西沢から取付いていて猛烈な藪漕ぎを強いられての登頂だったようで私たちには無理と判断した。
残るは、八谷和彦氏が2006年に出版した「新刊ガイドブックにない北海道の山々」に掲載された「ベッピリガイ山」の記録である。南面沢を詰めるのでなく630二股から南尾根に取付いて尾根上の鹿道を辿るルートにエバ夫婦の可能性を見出した。
「とにかく行ける所まで・・・」がエバ夫婦のモットー。まずは登山口へ
★ 元浦川林道・・・
神威山荘に通じる元浦川林道は現在ゲートが開放されている。ゲート前の入林ポストに記入して快適も長い林道を走り自宅から3時間で到着した。入林ポストを見ると今日だけでも5組のパーティーが入山していてすべて「ペテカリ岳」となっていた。そこに「ベッピリガイ山」と記入する違和感がちょっとあった。
神威山荘に寄ると1組のツアーパーティーが外でくつろいでいた。明日「神威岳」に登るらしいが入林ポストには記載のないパーティーだった。ペテカリ岳のパーティー組はすべてその車は神威山荘より約1㎞手前のニシュオマナイ川出合の林道に駐車していた。ナンバープレートを見るとほとんどが本州ナンバーで九州が多かった。
私たちの車も林道脇に駐車し、早々安着の儀へと移行する。そして、20時には就寝した。
★ 快晴・・・
8/3 快晴の朝を迎える。車から神威岳の秀峰がくっきりと姿を見せていた。
快晴の早朝、駐車地から望む「神威岳」の秀峰
★ 登山道化・・・
ペテカリ山荘への道の通行止めは1995年8月からですでに16年間も続いている。一時的な復旧もあったが再び林道の崩壊などがあって通行出来なくなっている。しかし、工事関係者や地元の一部岳人は何故か山荘まで車で乗り入れているので林道の崩壊は復旧しているはずだ。しかし今では、ペテカリ山荘へのルートは浦河町から元浦川林道を辿り神威岳の登山口神威山荘から町境尾根を乗り越しベッピリガイ川右岸のペテカリ林道を経由する一昔前のエスケープルートが連絡路としてメジャーになっているようだ。
そのせいかここに来る度に地図読みをしながら辿った支流沢もしっかりと踏み跡があり沢の分岐にはテープや赤スプレーで印もされて地図要らずの登山道化になってしまった。重装備なら神威山荘からペテカリ山荘まで片道4時間を要するため目指す登山者には遠い山になっていたが日数と体力さえあればペテカリ岳も手が届く存在になっているかも知れない。
そんな登山道化した連絡路を日帰り装備だと1時間30分で乗り越しベッピリガイ沢の土場に着いてしまった。
連絡路途中の林道の先に見えるはもしやベッピリガイ山か?
乗り越し尾根へ最後の沢詰めとなる急登にて・・
★ カギ・・・
八谷氏の記録を参考に土場からベッピリガイ沢に出合うC510に着くと右岸に林道があり地形図に記載の無い道が上流に向かって延びていた。沢自体はすぐに涸れ沢状態となり本来なら535二股まで沢を辿る予定だったが、歩き易い右岸林道を辿る事にした。しかし、沢から少し離れ始め535二股より手前から北に延びながら徐々に廃道化していくのでC560付近から南面沢の西側にある小さな沢に入り北に進んだ。この沢はいずれ南面沢と合流するだろうと思ったが途中で源頭となったのでC590付近から南面沢に少しだけ藪を漕いで入渓した。
南面沢は倒木だらけの荒れた沢で歩きずらかったが、苔むした清流が流れいる。記録からこの先の630二股まで行く予定もC600付近で右岸の斜面に登り易い鹿道を見つけ取付く事にした。急斜面も鹿道は登山道のようにありがたくもしやこのまま尾根上まで延びているかな?と期待もする。しかし、C675付近まで登ると鹿道が消え背丈以上の笹薮漕ぎの羽目となる。標高差で約150m急斜面の笹薮をひたすら漕いでC835付近でようやく南尾根上に着いた。約50分間の藪漕ぎだった。
尾根上に着くとそこには記録通り明瞭な鹿道があり上に繋がっていた。休憩を取っていよいよアタック本番と気合を入れる。
確認はしていないが、尾根上の鹿道はもっと下からあるものと思われるので南面沢のどこからこの尾根に取付き藪漕ぎを少なくして尾根上に登れるか・・が、カギになるかも知れない。
尾根上の900m付近から目指すピークが顔を出す
時に腰から胸まである笹も足元は明瞭な踏み跡で迷う事はない
★ スーパー登山道は鹿道・・・
ところどころ笹が覆いかぶさるところもあるが、正にスーパー登山道と言いたくなるほどしっかりした踏み跡となった鹿道である。日高らしい急登の尾根に笹や灌木を掴みながらの登行だったが確実に高度を稼ぎ途中から望むピークが徐々に近くなると登頂への期待が大きくなって来る。そしてこの快晴の空である。展望の山としても今日は充分楽しめると思うと苦しい登りも苦ではなくなった。
★ 大展望・・・
835南尾根上の出合から約1時間45分でC1265付近の頂上台地に着く。左手(北西側)にこんもりとした頂上部が見えとうとうここまで来たか・・と自分たちを褒める。
鹿道はここで不明瞭となり頂上へは再び笹とハイ松漕ぎを強いられるが、15分で頂上に着いた。登る途中から背中には神威岳や中ノ岳、1445峰などが見えていて大展望の期待が膨らむ。
10:55 ベッピリガイ山 頂上
初登頂にはチーヤンと手を繋いで一緒に登る。ピンクのテープが一つだけ若い白樺の枝に付けられ、更に三角点を見つけて間違いなく頂上だと確信する。苦労して登りこの大展望に感激して抱き合って喜んだ。頂上は狭いが低い笹で何とか座って休むことは出来る。
まずは、この大展望を一緒に楽しんでほしい・・。
ベッピリガイ山の三角点
眼下のペテカリ沢を挟んで北東に聳える主峰「ペテカリ岳」
北に目を向けると分かり易い「1839峰」と「ヤオロマップ岳」
東には尾根続きの雄峰「中ノ岳」(左)と1445峰
朝の秀峰「神威岳」も間近に見える・・・
1839峰を背に大満足の初登頂である・・・
★ 満足の下山・・・
1000m付近のスーパー登山道・鹿道です。
僅か30分の滞在も大満足の下山である。
鹿道のある頂上台地まで直線的に笹とハイ松を漕ぐも下りは早く5分で着く。後は再びスーパー登山道を何度もコケながら滑るように降りると登りの約半分、1時間で835尾根上の鹿道出合に着く。そして登って来た笹薮の斜面に突入し南面沢まで30分で降りる。その後も辿って来た小沢や林道を戻り連絡路も登りと同じ1時間30分掛けると登山口の駐車地に着いた。
振り返ると雲行きが悪くなり朝見えていた神威岳は麓までガスで覆われ何も見えなくなっていた。本当にラッキーな一日を楽しんだと感謝したい。帰路では登山口から一番近い浦河町上野深の温泉「柏陽館」で汗を流し19:00無事の帰宅となる。