黒駒 寺社参拝記

畿内を中心とした寺社参拝記です。主に西国三十三所や聖徳太子霊場を巡礼中です。

百々御所 宝鏡寺門跡

2010-02-21 13:14:22 | 京都の寺社・御所・離宮
聖護院を出ると丸太町を西進して烏丸通まで行き、京都御苑を右に見ながら烏丸通を北上して今出川通まで
歩きます。やがて同志社大学今出川キャンパスがありますが、そこをさらに北上して上立売通に入り堀川通に
向かって西進すると、その一帯はお寺の多い地区です。そして特に尼門跡が集中的に点在する地域でもあります。

その尼門跡のうち、宝鏡寺門跡は臨済宗系単立のお寺で人形供養の寺として有名で幕末には和宮親子内親王が
ご幼少の頃に仮居として住んでおられたので和宮さんの遺品も多く残るお寺です。江戸時代の石高は387石。

お寺の内部は春と秋に一般公開されていて、現在は4月3日までです。


拝観者は車寄玄関横の脇玄関から入ります。


建物は江戸中期の天明8年(1788)の大火以降に再建されたもので、本堂(本尊は聖観世音菩薩)や
書院などが拝観コースになっています。各部屋には案内人の人がいて詳しく説明してくれました。
内部および庭園は写真撮影不可ですが、玄関脇の使者の間のみ撮影できます。


本堂に面した庭には四季折々に咲く花や紅葉などがありますが、冬期なのでちょっと寂しい景観でした。
苔はとても美しかったです。本堂を過ぎると阿弥陀堂で、光格天皇ゆかりの阿弥陀如来や日野富子木像があります。

阿弥陀堂を過ぎると、宮門跡の御座所である書院です。書院に面して「鶴亀の庭」という和宮さんも下りて
遊ばれたという庭があります。築山のある小さな庭でした。書院は円山応挙をはじめ円山派の絵師による
障壁画があります。杉の木目をうまく利用した杉戸絵は応挙の作、書院襖の四季耕作図は応挙の孫円山応震らが
描いたものです。間近で拝観できます。その他、皇室ゆかりの人形や有職雛などが多く展示されていて
特に人形好きな人には見ごたえがあるかと思います。

玄関脇から本堂を見る。画面右の柑橘の横に人形塚が見えています。


宝鏡寺ご朱印。5つの小さな菊の御紋が可愛らしくて尼門跡っぽいです。


←こちらもよろしく!

にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ ←ポチッとクリック応援お願いします

聖護院門跡(森御殿) 拝観記

2010-02-21 12:40:55 | 京都の寺社・御所・離宮
京都の門跡寺院巡りをしました。始めは聖護院門跡です。「聖護院」といえば京都土産の「聖護院八つ橋」とか
京野菜の「聖護院かぶら」「聖護院大根」を思い浮かべる人も多いかと思いますが、いずれも聖護院という
門跡寺院の周辺でつくられたものなので名前に聖護院をつけているのです。

聖護院は本山修験宗、山伏の総本山です。山伏は大きく2流あって、天台宗系がこの聖護院(本山派)で、
真言宗系は醍醐寺(当山派)が総本山です。開祖は三井寺の増誉大僧正、平安後期の寛治4年(1090)
白河上皇から「聖体護持」より2字をとった「聖護院」という寺名を下賜され創建されました。後白河院の皇子が
入寺されてからは代々皇室もしくは摂家から門主を迎える門跡となります。

聖護院の拝観は予約制です。事前に往復はがきか電話で申し込みます。時間は午前10時と午後2時の2回。
拝観者は表門より入ります。


そして車寄玄関の横に通用口があってそこで靴を脱いであがり、廊下をしばらく歩くと寺務所があります。


寺務所で拝観の旨を告げると、時間前なら2階の仏間に通されて待つことになります。絨毯敷きの広い仏間には
正面に阿弥陀如来・不動明王・役行者・毘沙門天が祀られています。こちらのお参りは無料だそうです。

拝観時間になれば、僧侶の説明で宸殿・書院・本堂を順番に1時間ほどかけて拝観します。
だいたい他の寺院は廊下から部屋の中を拝観するのが通常ですが、聖護院では各部屋の中を通ります。

各部屋は襖で仕切られていていますが、その全んどが造営時(延宝8年=1680)に狩野派の絵師によって
描かれたものだそうです。部屋の照明だけで外部からの光もほとんどないので薄暗いですが、襖絵の保護には
いいと思います。ただ薄暗い上にあまり広くはないので、部屋を通る時はバックの縁が襖にあたったり
しないように注意が必要です。屋内の写真撮影はもちろん不可です(屋外は可)

宸殿にも仏間があって役行者や蔵王権現、複数の不動明王が祀られています。元は御座所だったところを
明治以降に仏間に改築したために、宸殿は重要文化財指定は受けていないということです。ただこの宸殿は
京都御所が火事で焼失したときに光格天皇が仮内裏として3年間お住まいになり、また幕末にも孝明天皇が
仮内裏として駐輦されていたので「旧仮皇居」として史跡指定がされています。天皇が政務を行なわれた
「上段の間」は現存していて拝観できます。

宸殿をすすんで、次は書院。書院は御所から下賜された建物で元は御水尾院の側室の御殿だったそうですが、
江戸初期の御所書院の建物として重文指定されています。こちらも部屋の中に入っての拝観です。床の間横の
飾り棚の意匠や欄間の造りなどが精巧で見入ってしまいます。

最後は本堂。本堂は護摩堂になっていて鉄筋造です。本尊は重文の不動明王立像。本尊もお堂の内部も
護摩の煤で真っ黒になっていました。

本堂から宸殿をみる。


宸殿の前庭はきれいに白砂が敷いてありますが、行事の際には護摩壇が設けられて護摩が厳修されます。


聖護院のご朱印。不動明王の梵字が堂々として立派です。法螺貝の印もきれいですね。


聖護院は通常、予約拝観のみですが今年4月24日から5月9日は特別拝観期間により予約なしでも
拝観ができるそうです。

←こちらもよろしく!

にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ ←ポチッとクリック応援お願いします