家田荘子さんの「聖地へ」という本の中に吉原遊郭の遊女が関東大震災のときに吉原大門が閉じられ逃げ遅れて大勢に遊女が池に入水して亡くなる話が出てきます。その池は今、吉原神社の近くにあります。吉原神社には家田さんの「聖地へ」も売っています。私も以前行きました。震災の大火で吉原大門は閉じられますが、火が回るのを防ぐためではなく遊女たちを逃さないためだそうです。弱い立場の人はいつの時代も最初に切り捨てられます。
現代はどうでしょう。生活保護費の切り下げなど現代も様々な問題があります。表向きは弱者救済と声をあげますが、そのほとんどが上から目線で現場で困っている弱い立場の人々の現状は理解されていません。こういう自分もどこかで支援という言葉を出しては現場に居ない自分にもどかしさを感じています。
家田さんの「聖地へ」は何か足りない自分に声をかけられているかのようです。