グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

もう一つの「緊急事態」に思う

2020年03月05日 | 政治
昨日の参院予算委でIT担当相が省庁の情報発信力の遅れに言及した後「これが現実だ」と言い放ってしまった。
この発言は自身の役割を放棄したように受け取られ議場は一気に紛糾、当人は答弁席を右往左往する始末だった。
最後は外相がその場で書き留めたカンニングペーパーを読み上げなんとかその場を収めたようだがなんとも不安の残る光景だった。
その前日は、と言えば復興相がやり玉に上がった。
兼務する公文書管理について質問があったがその目的や原則のような基本的事項にも回答に窮していた。
凡そ閣僚たるもの着任時に担当範囲に関わる最低限の知識習得を行うはずだと思うが自分の言葉でこれを説明できないということは本当に職責が果たせるのか心配だ。
当然任命権者である首相にも責任があるのだが既に2閣僚が交代しているのでもうこれ以上増やすわけにはいかない。
かと言ってもねぇ・・・。
他にも資質の観点から気がかりな閣僚が存在するし閣内、官邸の緩みも止まっていない。
現下はコロナウィルスの蔓延が緊急事態なのだが現内閣はもう一つ「緊急事態」を抱えているのである。

河井議員公設秘書の立件に思う

2020年03月03日 | 社会
広島地検が昨年参院選での公職選挙法違反の疑いで河井議員公設秘書の立件方針を固めたとのことだ。
相変わらず河井議員本人や夫である元法相は「コメントは差し控えたい」の一点張りで説明責任を果たす気はないらしい。
もしも本当に「(両者とも)与り知らぬこと」であればむしろ前面に出て疑いを晴らす姿勢を見せるはずなのだがそれができないというのはやっぱり・・・、かな。
もう一つ気になるのは今日首相が国会で野党議員から本件について感想を求められこれまた「遺憾に思う」とだけ述べるにとどまり当該議員の離党勧告等は否定していたことだ。
今回の事件の背景には1億5千万円という選挙資金が党から配られていたことと密接な関係がある。
首相自身が直接関わっていないとしても党の代表者としての監督責任は逃れ得ない。
しばらくは時限爆弾を抱えているような状況が続くようだがこのままでは自身のダーティーなイメージが定着する一方だ。
思い切って何か打開策を打ち出した方が身のためだと思うがどうだろう。



天才ランナーの力走に思う

2020年03月01日 | 社会
昨日の東京マラソンは一般参加こそ見送られたがなかなか見応えがあった。
というのもエリートランナー(という言い方も面白いが)の1人大迫傑選手の力走に出会えたからだ。
今さら言うまでもないが彼はマラソンで2時間5分台という日本記録保持者なのだが東京オリンピックの代表からはまだ見放されていた。
3枠中の2枠まで埋まり今回のレースが言わばラスト・チャンスだった。
もし昨日のレースでほかの日本人選手が彼の日本記録を上回ればその時点で彼の五輪出場の道は絶たれる、そんなギリギリの局面にまで追い込まれていたのである。
さて、当日のレースは予想通り2時間3分台も、と言われるほどとんでもないハイ・ペースで進んでいった。
そんな下で彼は20㎞あたりでトップから目視できないほど引き離されとても五輪代表の座など無理、‥・と思われた。
ここからが彼の地力というか、真骨頂だった。
レースの後半、彼はハイ・ペースを守り結局最後は2時間5分29秒、日本人最高位の4位でゴールインした。
ゴール手前100mあたりで自身の持つ日本記録の更新を確信したのか、体じゅうで喜びを表していた。
これで彼は五輪代表の座をほぼ確定したように思うが今レースの順位でも分かるように五輪のメダル獲得は容易ではない。
天才ランナーは次なる高みにどう挑んでいくのだろう。


今後キャッシュレス化は進むのか

2020年03月01日 | 社会
政府は昨年10月の消費税率引き上げを機にキャッシュレス還元という痛税感緩和策を発足させた。
これは消費増税による消費の落ち込みを回避し併せて我が国が海外各国に比して遅れがみられるキャッシュレス化を高める意味もあった。
あれから5か月、今後の見通しはどうなのだろうか。
残念ながら10-12月期の個人消費はかなり低下したがそれよりも気になったのは消費者のキャッシュレスに関する意識が思いのほかネガティブだったことだ。
ある調査によれば「6月のキャッシュレス還元政策終了後キャッシュレス決済サービスを続けるか」という質問に対し5割強の回答者が「続ける」としているがなんと4割近くが「還元策が終了後はキャッシュレス決済について減らしていく、もしくは止めていく」意向を持っていることだ。
還元策がなければキャッシュレスとは離れていく、・・・これではなかなか政府の思惑通りにはいかないということだ。
一方で事業者サイドはどうかといえば、これも感触は芳しくない。
昨秋からの還元サービスに参加した事業者の6割は売上増にあまり効果がなかったと回答している。
併せて資金繰りの悪化や加盟店手数料が重圧になっている、というから6月の還元策が終了した時点でキャッシュレス化が引き続き伸長していくというイメージは想定しにくい。
政府は6月以降も今度はマイナンバーカードの活用策の一環として消費者にいくばくかを還元するプランを有しているやに聞いているがそもそもインセンティブがなければキャッシュレスが進まない、いや後退するというのではどうしたものか。
キャッシュレス化の推進というテーマもなかなか手強いものだ。