演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

07/05/02 第10回 四派で深夜

2007-05-02 | 深夜寄席見ブんログ
三遊亭きつつき…『転宅』
(円楽一門)

立川志遊…『長短』
(落語立川流)

春風亭笑松…『蝦蟇の油』
(落語芸術協会)

古今亭菊六…『権助提灯』
(落語協会)


末広亭では昨日から始まった落語芸術協会の真打披露興行中。
高座正面には落語芸術協会の幕。左右には柄樽・薦被り・帯など御贔屓から送られた品々が並びます。

大型連休中とあって客席は8割弱の入り。
それでも幹事役の立川談修さんや三遊亭遊喜さんらも駆け付け、呼び込みに余念がありません。

一番手はきつつきさん。普段は「両国亭」の大きな柱を前に話しているだけに、末広亭の空間に緊張の面持ち。
それでも徐々にほぐれてきたのか、楽しい高座を見せてくれました。

志遊さんは16年のキャリアがあるので終始落ち着いた高座。
家元の、とてもここでは書けないエピソードを披露し、ともすれば間延びしそうな噺も上手くまとめ上げていました。

「落語芸術協会の幕の前で円楽一門や立川流の噺を聴けるのは滅多にない」と、いわばホスト役の笑松さん。芸協の寄席には数多く通っていますが、初見の噺家さんです。
「見世物小屋」のマクラから「蝦蟇の口上」に入る流れは三遊亭遊之介師匠に似ています。
淀みない流れの口上は見事でしたが、言い終えた後の拍手に満足そうな間を取ってしまったのが残念でなりません。
それでも緩みがちな酔った口上も堂に入っており、サゲもしっかりしていました。

トリは菊六さん。高座と客席を“ストックホルム症候群”に見立て、「お客様が人質で私は犯人のような雰囲気です」と混沌とした場内の空気を和ませます。
悋気という、現代では凡そ通じない言葉を説明しながら「権助提灯」へ。
私は権助という人物を演じるのに最適なのは、やや太目の噺家さんのイメージを持っていましたが、痩せ型の菊六さんにそんなイメージはかき消されました。
うろたえる旦那とそれを面白がる権助のコントラストが見事な一席でした


※次回の、第11回「四派で深夜」は7月15日(日)です。

 《出演予定》
 三遊亭楽市(円楽一門)

 立川志らら(落語立川流)

 桂笑生(落語協会)

 柳家小蝠(落語芸術協会)


※次回の深夜寄席は5月5日(土・こどもの日)
◎三笑亭夢吉(深夜寄席“初出演”)
◎三遊亭遊喜
◎春風亭べん橋
◎春風亭笑松
の予定です。