演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

07/05/11 第18回 かっぱの勉強会

2007-05-11 | 勉強会
三笑亭夢吉…『平林』

神田きらり…『村井長庵 重兵衛殺し』

橘ノ圓満…『茶柱』

《お仲入り》

笑福亭和光…『ぜんざい公社』

三笑亭夢吉…『百川』


大型連休明けから仕事のシフトが少し変わり、金曜の夜も演芸を楽しむことができるようになりました。
夢吉さんは「陸の孤島」と言っていた会場ですが、下町育ちの身には上野駅から訳なく歩いて行ける場所です。
会場入口ではきらりさんが受付に。先月の若葉会に伺ったお礼を言われたので、思わず恐縮してしまいました

御贔屓さんが子供連れで来るというので、子供が喜ぶ噺を用意したという夢吉さん。ところがそのお客様がなかなかお見えにならず、高座上からソワソワ。
「味噌豆」の小噺が終わったところで、そのお客様が来場。
寄席で途中入場の客に良く使われる、
『もういらっしゃるんじゃないかとウワサしてました』
が、真に迫ってました
欲を言えば、5日の橘ノ美香さんのようにもう少しテンポ良くやれたら良かったんじゃないかな、という噺でしたが、まずはつかみはOK

「良くぞここまで悪い事ができるもんだ!」と思わせたきらりさんの『村井長庵』。
神田阿久鯉さんの「天保六花撰」同様、本当に憎々しく思える長庵の行状を読みましたが、2~3点ほど「あれっ!?」と思う場面があり、もう一度じっくりと聴いてみたいと感じました。

圓満さんは、次に和光さんが使うからと、釈台(見台)をそのまま残して高座へ。
台を置いての高座姿はなかなか見られることではないのですが、かなりの風格を感じます。
噺は紙芝居から生まれたという新作。
「子は鎹」のようなハッピーエンドのサゲなんですが、もう少し“毒”があってもいいんじゃないかな?という感想を持ちました。

お仲入りを挟んでゲストの和光さん。二つ目昇進を報告し、それに拍手する客にのっけから先制攻撃。つかみは上々です。
6日の池袋でも聴いたおなじみの噺ですが、きょうはその時よりも長く時間を取っていました。
一つ気になったのは「甘い」という言葉を多用していること。サゲへの布石なのかもしれませんが、勘の良い客なら予めサゲがわかってしまうかもしれません。

トリは夢吉さんの2席目。先月の二水会以来、高座を見る機会が多くなっています。
兄弟子の真打昇進に合わせて横笛を練習し始めたことのマクラが可笑しかった。
努力の成果もあり披露興行の口上が始まりに夢吉さんの笛を聞くことができます。
そういえば5日の口上では、案内役の小遊三師匠が
「口上も今日で5日目ですが、1日として笛の音がまともに聞けた日はありません」
ガンバレ!夢吉さん!!
この「百川」は筋は知っていましたが、実際に聴くのは初めて。
予備知識として「四神剣」というような言葉の説明をマクラに持ってきました。
言葉の勘違いから生じる幾多の出来事が面白い噺なのですが、一つ一つの言葉の意味を理解できたら、もっと面白く聴けるだろうなと思いました。

畳部屋に座布団という、足が短い当方にはかなりキツイ姿勢での鑑賞になりましたが、演者一人一人の熱意が伝わって来る楽しい勉強会でした!