「3月11日(土)はフクシマから12年、コロナもあるけどどうしても2つの集会(東京電力と日本原電)に駆けつけなければね。」と連れ合いと話し合いました。幸いお天気は上々、絶好の集会日和です。
まずは東京電力前(新橋駅から徒歩五分)に丁度1時半に到着しました。東電前の道路を挟んですでに多くの人が参集していました。道路が直角に交差したところに太鼓や楽器やマイクをまとめた舞台が据えられていました。なんとか2人とも人垣に潜り込んで参加することができました。
有り難いことに、その時の様子をたんぽぽ舎のメルマガ(4717号)が次のように伝えています。私が撮影した写真のあとに転載させてもらいます。その後には鎌田慧さんのコラムもどうぞ!
*落合恵子さん登場
*東電への申し入れ行動
■1.福島第一原発事故は終わっていない、
| 放射能汚染水を海に捨てるな!
| 東海第二原発動かすな−3月11日(土)2つの本店行動の概略
└──── 柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
参加者:東電→355名、原電→165名 計520名
(昨年:東電→305名 原電→135名 計440名)
カンパ:東電→8万円、原電→4万2386円 合計12万2386円
(昨年:東電→7万円 原電→3万円)
報道:NHK、
中国系4社(人民日報社・鳳凰衛視東京支局・新華社通信・
中国中央広播電視総台)、
独立系3団体
スピーチ者 東電11名、原電8名
申し入れ:東電:2団体(「反原発自治体議員・市民連盟」、
「山谷労働者福祉会館」)
原電:2団体(「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」、
「反原発自治体議員・市民連盟」)
音楽:東電前:大太鼓、日音協、日本原電6人衆
原電前:日本原電6人衆
☆東電本店合同抗議行動の動画は、【動画アップの紹介】を参照。
■2.日本政府は恥ずかしげもなく原発推進の道を選んだ
| 原発は平和に敵対するもの(鎌田慧さんのスピーチ)
| 3.11追悼と東電本店合同抗議行動に参加 (上)
└──── 佐内 朱(たんぽぽ舎)
◎ 3.11(土)、第114回東電本店合同抗議行動と追悼が行われた。
私事で恐縮だが、私の仕事先の相手である89歳の女性が、先日、「福
島第一原発事故で発生した汚染土は、官邸に持って行くか国会議事堂に
持って行けば良いのよ、身を切る政治とはそういうものよ」と仰り、普
段控えめな彼女がそこまで仰ることに少し驚くと共に、彼女の思いも心
に留めて今回の抗議行動に参加しなければ、と思った。
◎ 晴天に恵まれた。続々と参加者が集まってくる。様々なのぼり旗、
横断幕が用意されている。中でも目を引いたのが、横断幕を外に向けて
フェンスに貼り付け、山手線の乗客からも見えるようにしていること
だった。
柳田さんが色々なメディアからコメントを求められている姿も見られ
た。NHK、新華社通信、鳳凰衛視東京支局、なにぬねノンチャンネル
ニュース…私達の思いが、メディアを通して少しでも人々に届けられる
ことを願うばかりだった。
◎ 開会宣言が行われ、多摩川太鼓の演奏が始まる。今日は2人での演
奏、いつにも増して力強さが伝わってくる。
その後、地震と津波、原発事故、関連死で亡くなった方々への黙祷が
行われた。黙祷を始めると、胸の中に熱いものが込み上げてきて、亡く
なった方々の強い思いが押し寄せてくるような感覚を覚えたのは、私だ
けではないはずだ。
◎ 三上治(「経産省前テントひろば」)さんの主催者あいさつが行われ
る。
誰もが当たり前に思っている、「もう原発はいらない」という国民の
意思を政府は無視している。政府が目論んでいる原発の再稼働を私達の
12年に及ぶ闘いがそう簡単には実現させていない事実、そして私達は自
分達の運動に自信を持って、これからも闘い続けようというお話だった。
◎ 先ずは、山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)さんのスピーチ。
この12年間、私達は原発は縮小していく、無くなっているものと期待
していた。しかし岸田内閣の大転換政策で、原発の再稼働、更には新規
増設にまで及んでいる。昨年7月、東京地方裁判所が、東電の取締役に
対する賠償責任を命じた判決では、裁判長が「もう一度このような事故
が起きれば、この国が滅びる」とまで言及したことに触れる。
そして書き換えが目指されている原子力基本法では、原子力は国が責
任を持って推進する、とまで書かれている、この国を原子力と共に滅亡
させる法律に書き換わろうとされている、というお話しをした。
そして「小型モジュール原発」の開発によって、日本を原子力空母や
原子力潜水艦を保有できる国に変えようとしていることを、断固、阻止
しなければならない、と訴えた。
◎ 次は、「脱ヒバク実現ネット」の岡田俊子さんのスピーチに。
いわき市の綺麗な海、ふるさとを返して、と訴え、汚染水に含まれる
トリチウムの恐ろしさを書いた、渡辺さんという方の本を紹介してくれ
る。
福島県下で増え続けている小児甲状腺がんの実態、そして7人の若者
が勇気を持って裁判を起こし、東電の謝罪と補償を求めていることもお
話ししてくれた。
◎ 続いて鎌田慧(ルポライター)さんのスピーチに移る。
日本は世界で3番目の軍事費(10兆円)を投じ、平和への道から逆転
して戦争への道を歩み始めている。そして政府は恥ずかしげもなく原発
推進の道を選んだ。原発は平和に敵対するものである。
そして、原発事故で出た汚染土を全国に撒き散らそうとしている、こ
れは人間を大事にする政治とは言えない。3.11は福島の人々の絶望と
希望を私達が噛み締めて生活していく日、一人ずつ決意を新たにして、
諦めず進んでいこうと訴えた。
コールに続き、カンパのお願いを佐々木敏彦(東電本店合同抗議実行
委)さんがする。
今後1年間、絶対原発を無くすという誓いを込めて、その為の資金援
助をお願いしたい、と話した。
東電への申し入れを、「反原発自治体議員・市民連盟」と、「山谷労
働者福祉会館」の人が行った。 (下)に続く
◆民主主義からの遁走
鎌田 慧(ルポライター)
菅義偉前首相が就任するやいなや、まっ先に断行した日本学術会議会員
候補の任命拒否。学問の自由に対する露骨な弾圧事件だが、2年半たって
もいまだ解決されていない。
それどころか、この野蛮をカムフラージュするために産業界などを含め、
会員選考の「第三者委員会」を設置する法改悪を図っている。
任命されなかったのは政治学者、憲法学者、歴史学者の6人。それぞれ
安保法制、特定秘密保護法など安倍晋三首相当時の反民主化政策を批判し
た人たちだった。
菅首相が就任直後に見せつけた強権の行使は、あたかも首相任命への
儀礼のようだった。学術会議の梶田隆章会長は、速やかな任命と任命拒否
の理由を求めたが無視、さらに選考基準を変えようとしている。
学問の世界に政治力で踏み込み、批判者をパージするばかりか組織の
自律性を破壊するのは、憲法二三条、学問の自由の侵害である。
学術会議の歴代会長の5人は連名で「アカデミーでの自律的な会員選考
こそが、普遍的で国際的に相互信頼の基礎になっている」との声明を発表
した。
2月下旬、日本人ノーベル賞受賞者と数学のノーベル賞と呼ばれるフィ
ールズ賞受賞者の計8人が「成熟した先進国の政府は、ナショナルアカデ
ミーの活動の自律を尊重し、介入しないことを不文律にしてきた」と指摘
した。
(2月28日「東京新聞」朝刊「本音のコラム」)