雲蝶が江戸から越後にやって来て、最初に滞在し、彫刻の仕事に着手したのは本成寺(三条市)とその塔頭群だったようです。その本成寺は残念ながら火災(放火と言われている)に遭い消失しました。雲蝶の作品はほぼ塔頭に残るだけです。
雲蝶の活動舞台はその本成寺と永林寺及び西福寺(魚沼市)です。永林寺と西福寺は最も多く雲蝶作品が残る場として拝観の目玉です。
第1日目は永林寺と西福寺、そして雲蝶作品の貴重な欄間を残す龍谷寺を巡りました。
優雅で美しい天女像で有名な永林寺には、雲蝶は13年間滞在し、百数点の彫刻、絵画を残しています。雲蝶ファンにとっては垂涎の寺なのに、しんしんと冷える寺には我々の他だけもいませんでした。しばらくして2組の観覧者がありましたが。
まずはパンフレットと購入した小冊子(34頁、500円)を紹介しましょう。
「建物内の撮影は一切禁止」です。外国の美術館・博物館は私的利用に限りほぼ撮影は許されています。昨年再訪したルーヴルや大英博物館しかりです。限定箇所での撮影が許可されるなど、少しずつ日本も変わってきていますがね。
ここの雲蝶作品の数は半端ではありません。パンフによればその数は25を数えます。どういう並びになっているのか、順番が定かではありません。しかし、誰もいないのを幸いに、順番通り、あっちに行ったりこっちに行ったり、右往左往しました。でも充実感はたっぷり、雲蝶は凄い! 天女像は雲蝶の最高傑作の1つですね。
この永林寺の本堂は雲蝶がプロデュースした最後の現存する建物だそうです。
『私の恋した雲蝶さま』(中島すい子、現代書館、2014年)を再読することにしましょう。著者は南魚沼市在住の観光ガイド、運寵愛に溢れるエッセイ集と言えます。魚沼地区の雲蝶作品を中心に語っています。
西福寺・龍谷寺については次のブログに掲載します。