いよいよ新潟滞在最終日です。雲蝶の三大彫刻群を有する永林寺、西福寺、本成寺を堪能し、さて最終日は二,三箇所寄り道をして、早めに帰途につこうと思っていましたが、大きく予定を変更する事態が起こってしまいました。素晴らしい雲蝶作品群に出会ってしまったのです。
まずは栃堀区事務所に電話連絡し、神社の入口を開けておいてもらうことになりました。貴渡神社(長岡市)へ直行です。
地元の大きな神社ではなく、小ぶりの可愛らしい神社が目差す所でした。風雨から庇護したり、外部の人が入れぬように囲われていました。
向拝の獅子や貘や龍、手挟の松の枝に停まる鳩と雀を見て、素人ながら、これは充実期の雲蝶の作品に違いないと直感しました。さらに素晴らしいのが「桑負いから機織りに至までの様子」です。優雅な曲線を多用した心温まる庶民の暮らしが活写されています。後期ゴシック彫刻の作家、ダニエル・マオホを想起させます。
明るい日差しの中で、2人で舐めるように撮影させてもらいました。
栃堀区事務所にお礼に出向くと、区長さんがいらしていろいろお話をうかがうことができました。その時にいただいたチラシを紹介しましょう。
次に向かったのは、同地区の曹源寺でした。こちらも電話で連絡し、快く迎え入れてくれました。ご住職にご挨拶した後、お連れ合いが実に丁寧にいろいろ教えてくれました。
広い畳敷きの間に欄間が8箇所ぐらい、そのうち2箇所は雲蝶作、他は小林源太郎作で、内陣には他の作家の作品もあまた掲げられています。
東京出身のお連れ合いと親しく話を交わしました。贅沢な時間を共有できました。
最後に向かったのは、秋葉三尺坊奥の院。
雲蝶は烏天狗の3枚、源太郎が他の彫刻を担当した共同制作といわれています。金網に囲われているため、撮影は難しいのですが、いつの日か、許可をいただいて、入口の鍵を開けて中に入り、写真を撮りたいものです。
紛う方なき雲蝶の代表作に違いありません。
予定よりだいぶ遅れて帰途につきました。
資料を読み直し、訪問し損なった社寺に気がつきました。
次の国内旅行は、春頃、新潟から会津方面になりそうです。