後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔753〕ふせ由女の「ゆめ通信」最新号(41号、2024年冬号)が届きました。

2024年12月14日 | メール・便り・ミニコミ

 清瀬市議・ふせ由女の事務所に届いたばかりの「ゆめ通信」、どうぞご覧ください。ふせ由女を支援する鎌田慧さんのコラムもどうぞ!

◆世代を結ぶ平和の像
                              鎌田 慧(ルポライター)

 前回、沖縄・読谷村の鍾乳洞「チビチリガマ」での集団死について書
いた。
 米軍侵攻中の悲劇だ。
 が、7年前に起こった、少年たちの破壊行為について、スペースの関
係で書けなかった。戦争中の悲惨がよく伝わっていなかった、もう一つ
の悲劇だった。
 上陸してきた米兵に恐怖して、村の鍾乳洞に避難した住民が恐怖に駆
られ、子どもや家族を自分の手で殺害した。捕虜になるより自決せよ、
というのが日本軍の強制だった。85人の住民が犠牲になった。その現場
は保存されてきていた。

 ところが7年前の9月、洞窟内で、つぼに入っていた遺骨が撒き散ら
され、飾られた折り鶴が引きちぎられる、乱暴狼藉の跡が発見された。
捜査の結果、16歳から19歳の少年たちが「肝試し」をした事件だった。
 さすがに読谷村の少年たちではなかったのが救いだった。
 ガマの入り口にある「世代を結ぶ平和の像」を制作した、彫刻家の金
城実さんが保護観察処分となった4人の少年を預かった。彼には大阪の
高校で教員生活の経験があった。
 読谷村の歴史を教え、反省文を書かせ、石仏(野仏)を集団制作する
ことにした。
 冬の寒い時期に、ガマの前にテントを張って泊まり込み、ほぼ1週間
で12体の石仏を完成させた。それをガマ周辺に安置し「石仏がまた歴史
を結んでいる」と金城さんは言う。
             (11月26日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)

◆死刑残置残酷国家
                                        鎌田 慧(ルポライター)

 最高裁で死刑が確定した袴田巌さんの無実が再審で証明され、死刑制
度への疑間が強まっている。
 与野党の国会議員を含む「日本の死刑制度について考える懇話会」は、
11月中旬、政府に対して「現状のまま存続させてはならない」と死刑制
度を根本的に検討するための、会議の設置を提言した。
 国連総会は1989年に死刑廃止条約を採択。欧州を含む112カ国、米国の
ほぼ半分の州、韓国、ロシアなど中止国もまた多い。

 しかし、日本は世界の常識に逆らう絞首刑残置国。それでもかつては、
死刑囚同士、同じ階で行き来が自由で、歌を歌うなどのレクリエーション
もあった。が、いまは24時間監視、当日の朝、いきなり刑場へ引き立て、
遺書を書く時間さえ奪われる確定死刑囚が、100人以上いる。

 11月下旬、国連人権理事会に任命された「拷間」「恣意的処刑」など
6テーマの「特別報告者」が連名で、日本政府に対して、日本の死刑制
度は国際法に違反する疑いがある、として執行停止の検討を求める通報
を行った(「朝日新聞」12月7日)。
 国の「非人道性」が批判されたのだが、政府は「制度の是非は自国で
考えるべき問題だ」と回答したという。
 「余計なお世話だ」という反論のようだが、私には「敵は殺せ」「悪
い奴は抹殺せよ」との仇(あだ)討ち、戦争の思想は認められない。
       (12月10日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」より)


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