後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔159〕なんと?「核のごみは、地中に埋めるより、ロケットに乗っけて宇宙に送り返す」というのが清瀬・現市長の考えです!

2017年11月03日 | 市民運動
  2017年9月12日(火)、私は数人の仲間と清瀬市役所の4階にいました。総務文教特別委員会の傍聴のためです。
 清瀬在住のSさんが「某国からのミサイルの飛来にともない原子力発電所の運転を停止させるよう国に求める請願」をされました。時宜にかなった至極まっとうな請願です。万が一戦争が起こったら、日本が狙われるのは米軍基地のある沖縄と、54基の原子力発電所と言われています。
 まずはSさんの請願にじっくり目を通してください。

□某国からのミサイルの飛来にともない原子力発電所の運転を停止させるよう国に求める請願
                                                  紹介議員 ふせ由女
〔請願の趣旨〕
 現在、某国からミサイルが飛来し、今後もその可能性が否定できないなか、それに対する住民の不安とそれによる被害を軽減するために、即時に運転中の原子力発電所の運転をすべて停止させるよう国に要求する決議を、清瀬市議会が行うよう請願する。
〔請願の理由〕
 現在、某国が打ち上げているミサイルに関して日本政府の広報が行われています。テレビ放送では不定期にときどき行われていますが、インターネットでは常時見ることが出来ます。「政府広報オンライン」を見ると「弾道ミサイル落下時の行動について」と題し「弾道ミサイルは、発射からわずか10分もしないうちに到達する可能性もあります。……」として、速やかな避難行動を求めています。「屋外にいる場合:できる限り頑丈な建物や地下に避難する。建物がない場合:物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る。屋内にいる場合:窓から離れるか、窓のない部屋に移動する。」以上のような方法で避難するように国民に求めています。
 この政府広報のテレビ放送は、安倍内閣が窮地に追い詰められているときに多くオン・エアされている印象を受けますが、その理由を挙げるならば、国民の不安を煽って「今は非常時だから」と内閣の支持率を上げるためにわざと危機感を高めている可能性が挙げられます。そうではなく、ミサイルが本当に飛んでくるという危機感から国民の安全を願ってこのような広報を行っているとすれば、それはまことにありがたいことであり正しいことではありますが、真に国民の安全を願うのであれば他にやることがあるはずです。それは現在運転している原子力発電を即時に停止することです。
 某国が自滅を覚悟でアメリカ、韓国、日本にミサイルを発射する場合があるとすれば、韓国と日本の原子力発電所を狙ってくる可能性が極めて高いと考えられます。ミサイルによる攻撃の効果を最大にしようとすれば、それは当然といえるでしょう。そして、この懸念が万一現実となった場合、どのような事態が起こるか、私たち日本人は福島の大事故でよく知っています。ただ福島の事故では、私見によれば爆発によって空中に吹き飛んだ放射性物質の大部分は太平洋に落ちたと思われます。しかし、それでもあれだけの大被害を生んでいるのです。原子力発電所がミサイルによって破壊され、西風が吹いていた場合、そこから東の地域は人が住めなくなります。燃料にプルトニウムが含まれていた場合、プルトニウムの半減期は24,000年なので、まず10万年は人が住めなくなります。「そこから東の地域」に関西圏、中部圏、関東圏が含まれていれば7千万人の住民はどこへ避難すればいいのでしょう。避難できる場所は九州、北海道と東北の一部だけになります。それだけの地域で日本の半分以上の人口を避難・収容させられるわけもなく、日本人は難民となって海外に避難していくことしかできなくなりはしないでしょうか。日本政府が「政府広報」によってあれほどまでに危機感を煽るのは、現実のこととして本当にミサイルが日本に落ちてくるのでは、と本気で心配しているからでしょう。国民の安全を第一に考えてくれているのだと推察します。それなら、なおのこと原子力発電所の稼働を止めなければなりません。日本人を難民として世界中に流浪させないためにも、原発の運転停止は必須です。清瀬市議会には一刻も早く、某国からのミサイルの飛来にともない危険な原子力発電所の運転を即時停止するよう国に要求する決議を行っていただきたく、この請願を行いました。政府広報を拠り所として清瀬市民を含む日本国民の生命と安全を守るために行動するのであれば、この請願に反対する清瀬市議会議員は誰もいないであろうと信じております。
                                               2017年8月29日


 Sさんの数分の請願趣旨説明のあと、委員会のメンバーによる活発な議論が展開されました。その様子は清瀬市のHPに、丁寧に公開されています。
 保守系の清瀬自民クラブの2人と公明党1人の請願反対意見は論理のすり替え以外の何物でもないのですが、HPで確認してみてください。賛成は共産党1人、風ネット1人、共に生きる1人の3人、賛否同数で、保守系の委員長が反対に回り、不採択となったのです。
 この議論のなかで、清瀬市長の信じられないような発言が飛び出しました。自分たちがつくり出した膨大な核のごみを宇宙空間に廃棄せよと公式の場で言っているのです。傍聴席にいた我々は思わず唸ってしまいました。

◎市長(渋谷金太郎君) 確かに核のごみは、当然今後その処理対策を考えていかなければいけない。私が考えていることは、H2Aロケットはもう30回打ち上げに成功しています。宇宙は放射線でいっぱいです。だから宇宙へ返していく。そういうことが地中に埋めるより、H2Aロケットが完全に100%成功といった状態になってきていますから、H2Aロケットに乗っけて宇宙に送り返す。こういったことの方法が一番よいのではと私は個人的に考えております。

 さすがにこの発言はHPでは割愛されるであろうと思っていたのですが、堂々と現在も掲載されています。削除されないうちに是非覗いてみてください。(清瀬市HP、「議会の会議録を見る」)