今日は松が明けるのです。
松飾りも取り外して、文字通り日常に戻るのである。
昨日松の明けるのを待つかのように、花を二鉢買い求めた。
今は玄関に置いてある。

「レウィシア」という花である。
花言葉は「ほのかな思い」「淡い恋心」である。
「あえかな花」である。
しかし、花の色が可憐で、ぼくは一目で気にいってしまった。

二鉢の花買いたれば冬の蜂 野 人
冬蝶や君と買いたしこの花は

かそけき命を、細々と繋ぐ冬の蜂である。
活動力は落ちて、蜜を吸う力さえ疑わしい。
だがしかし、その命はかけがえのないものである。
花で言えば、石川啄木にこんな歌がある。
友がみな我よりえらく見ゆる日よ
花を買いきて妻と親しむ 啄 木

石川啄木である。
啄木は岩手で生れた。
渋谷村で代用教員もやっている。
いま啄木がいたら、どんな歌を詠むだろうか?
とまれ、これはぼくの好きな歌の一つである。
花と歌の持つ力をぼくは信じているのである。
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荒野人
松飾りも取り外して、文字通り日常に戻るのである。
昨日松の明けるのを待つかのように、花を二鉢買い求めた。
今は玄関に置いてある。

「レウィシア」という花である。
花言葉は「ほのかな思い」「淡い恋心」である。
「あえかな花」である。
しかし、花の色が可憐で、ぼくは一目で気にいってしまった。

二鉢の花買いたれば冬の蜂 野 人
冬蝶や君と買いたしこの花は

かそけき命を、細々と繋ぐ冬の蜂である。
活動力は落ちて、蜜を吸う力さえ疑わしい。
だがしかし、その命はかけがえのないものである。
花で言えば、石川啄木にこんな歌がある。
友がみな我よりえらく見ゆる日よ
花を買いきて妻と親しむ 啄 木

石川啄木である。
啄木は岩手で生れた。
渋谷村で代用教員もやっている。
いま啄木がいたら、どんな歌を詠むだろうか?
とまれ、これはぼくの好きな歌の一つである。
花と歌の持つ力をぼくは信じているのである。

荒野人