エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

あなたとの距離

2010年05月29日 | 日記
団塊の世代が白昼夢ででもあるかのように、愛を追体験している。
青春のリバイバルである。

プラトニック・ラブであるとか、アガペーであるとか、もてあそんだ罪であるのだろうか。
疲弊した万象への更なる挽歌である。









         あなたとの距離



      ぼくはあなたとの距離を測れない
      いったいいつから
      こんなになってしまったのだろう
      距離を測らなければならない遠さに
      あなたが居所を変える度に
      ぼくは
      悲しんだり
      喜んだりしたのだ
      距離の計測に手間暇を要すると知ったいま
      ぼくは
      耐え難い痛苦に直面した
      そうであるが故に
      困惑したのだった

      あなたとの距離は
      あなたとの男女の交わりの甘さに
      比例しているのかも知れない
      やがて気づいたのだが
      あなたとの距離は
      めくるめくようなあなたとの交わりに
      反比例して
      恍惚たる時間に反比例して
      長く遠く
      深いものとなってしまったのだった

      あなたとの距離は
      暗い蒼空のただ中で際限もなく
      肥大化していき抱えきれなくなってしまっている

      ぼくの疲弊した万象に捧ぐ
      新鮮な快感の万象に捧ぐ
      深く沈潜した深層心理のそのまた底部に
      降り積む
      ぼくは
      ぼくの純情を謳(うた)えよ





もう萩の花が咲いている。
狂った花芯(かしん)に同情を禁じえないのである。



家の近くの塀にピンクの蔓薔薇(つるばら)が満開である。
ぼくはこの薔薇の花の中に顔を埋めてしまいたい。

美しい愛の営みに、ぼくは酔っているのかもしれない。






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                     荒野人


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