海と空のパラード
捧げよう
この澄んだ海と空と
それを見つめるあなたの瞳の色に
ぼくの純情を捧げようと思うのだ
てらいとためらいと
おそれとおののきに
この澄んだ海と空に
ぼくの一途な真心を捧げようと思うのだ
あなたの手をそっとい握ってしまおうと
何回思ったことだろうか
しかし
そのたびにぼくは
振り払われる恐怖におののいてしまうのだった
あなたの肩をそっと
抱きしめ
引き寄せる勇気があったとしたなら
ぼくは
たんなる男に堕落してしまうのだ
あなたがぼくを迎い入れるまで
ぼくは待とうと思うのだ
海と空は
無限大に広がって
ぼくのおそれを
雲散霧消させてくれる
かもしれない
ぼくは
明日
ぼくの思いをあなたに伝えよう
ぼくは
透明なセルになって
この海に沈み
空の青の同化してしまおう
ホテルのプールを横切った妖精がいた。
ぼくはいつも、このプールの椰子の葉蔭で読書をするのだ。
両手を空に向けた姿で横切ったのである。
その肢体は、まるで人魚のようだった。
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荒野人