酒のさかな

平凡な笑市民が日ごろの暮らしの中で出会ったこと
【縦横無尽探険隊別館】

【ばいく工房よよよ^^;】 DT125R 重い腰上げて腰上オーバーホール・・・4 結局電気系統か?

2017-08-19 13:17:05 | 技術系

夏休みの自由研究としての【内燃機関の圧縮率と爆発〔メンテナンスとは清掃なり〕】は失敗に終わった(T_T)
『もうこうなったら、一番怪しくて一番高い部品交換しちゃる( `ー´)ノ』
と部品発注したのが昨日のこと。
座して待つのもなんだから、今日もバイクをいじってみる。
気になっていることもあるし・・・
(このことが後々大きく響いてくるとはこの時は知る由もなかった( ˘ω˘ ))

次の研究のタイトルは【はたして火花は弱いのか】
シリンダの組付けとともに、不安要素をできるだけ減らすためにバッテリーはフル充電し電圧を測り、プラグも新品に交換した。
またしても始動しなかったのでプラグを外し、スパークが飛んでいることを確認。
セルでもキックでも火花は飛んでいるが・・・チ、チ、チ、チ、チ
『なんだかヨワッチィなぁ』
でも、相手はガソリンだぜ。 火花が飛んでれば「ドッカン!」でしょ。

「火花が飛ばない」と「火花が弱い」がネット上ではあまり区別されていない。
弱くても、飛んでいるのならエンジンはかかる!と蹴り飛ばしている回答がほとんどだ。

まぁ、2chよりも価値のない「Yahoo知恵遅れ」に頼っても仕方がないのだけれど。
ホントに、知ったかぶりより酷い「知ったつもり」の回答の多いこと。
世の中いつから某S県職員並みの奴ばかりになったのだろうか?
少しくらい「恥ずかしいという美学」はないんだろうか?
反論や否定がなければ自分の言っていることが正しいと思っている。
あまりに理解していない発言には、まともな奴は修正意見する気すら起きないというのに。
それでも質問者はシロート回答者の的外れな回答を信じて納得している構図・・・
ネット社会の始まりの頃、誰かが警鐘を鳴らしてたな。
「情報を集める時代は終わり、価値のある情報かどうか判断できることこそが生きていく能力となる・・・」
あ、話が逸れている( ˘ω˘ )

スパーク火花の発生する電気経路は、
ジェネレータピックアップコイル →CDI →イグニッションコイル →ハイテンションコード →プラグキャップ
プラグは今回新品だから要因除外として、上流に遡ってみるしかない。

とりあえずプラグキャップから。
『んー、ハイテンションコードの芯線が無くなってる(''Д'')』
1cmほど切ってみると芯線は銅色の輝きだった。
『このくらいなら導通は十分だったはずだな』
・・・ということで「火花の弱い原因とはいえない」
その1段上のイグニッションコイルの抵抗値はマニュアルどおり。
〔YAMAHA DT125Rサービスマニュアル追補版より抜粋〕
『だいたい、単なるトランスが破裂以外に故障はないよなぁ( ˘ω˘ )』

〔YAMAHA DT125Rサービスマニュアル追補版より抜粋〕
次はCDIのチェックなのだが、残念ながらテスターではチェックできないので、次のピックアップコイルの調査である。
『んー?ピックアップコイルは正常値なのだが、チャージコイルの抵抗値が5.8MΩ?!』
こりゃコイルが断線か端子外れを起こしている?
(実はこの時、コネクタの逆側つまりコイルではなくCDI側を測っていたことに気づいていない( ˘ω˘ ))

ここで、前述した「気になっていること」が俄然浮上してきた。
【前にオイルシール交換した時に、スタータクラッチにグリス塗ったからセルが滑ってんだよなぁ】
この部品、どう見ても摺動部分だからグリスを塗って組付けたくなる。
実際に古いサービスマニュアルには油を差すよう指示されていたらしい。
しかし、ネット上にたった一つだけ「マニュアル通りグリス塗るとクラッチ滑ります」という記載を発見していたのだ。
『そっかー、動作理論は遠心クラッチだから滑るとまずいよな』
ってことで「そのうち」分解しようと考えていたのだ。
今回どうせジェネレータコイル確認するから、ついでに気になる部分は治しとこ(^^)

って・・・( ゚Д゚) これが致命傷になっていたとは!

ジェネレータカバーをいつもどおり外してみると・・・
「ガコッ!」
『( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)・・・何でマグネットまで取れてくるの?』
インパクトで締め付けたナットはすでに外れており、コイル側にフライホイールがくっついたまま外れてきたのである。
こりゃぁ!?
フライホイールの位置決めをするウッドラフキーが破壊している。

フライホイール側にもキーの破片が。。。
おそらく、セルクラッチが空回りしただけじゃなく、フライホイールごと空回り。
つまり、火花の強弱なぞ語る以前に・・・点火タイミング、いやいや発電すらできてもいないジェネレータ。
『私としたことが orz...』

半月型のキーでフライホイールの位置決めをしている、それがクランクシャフトのナットが緩み、重いフライホイールのガタ付きに叩かれ、割れてしまったのだろう。
ジェネレータカバーの中を重いフライホイールが暴れまわったのだ、無事に済んでいるとは思えない。
『こりゃ、発電コイルを断線したかもね』

強力な磁石のフライホイールをなんとか引きはがし、とりあえずコイルの抵抗値を・・・『ん?』
あれまオス? そっか、おりゃさっき反対側のメスコネクタ測定しちまったんだ。
ということで、コイルの抵抗値は正常。
配線図と首っ引きで他にいろいろ測定したところ、どうやら断線していないもよう。

セルクラッチ機構の接触面はパーツクリーナで十分脱脂。
これでセルの滑りはなくなるだろう。
私がバカだった。
クラッチのグリスだけならセル滑りだけで済んだろうが、フライホイール外しに苦労した私は「固着」を防ぐためにクランクシャフトのテーパー部分にシリコングリスをたんまり塗り付けていた。
さらに、なんとなくスペーサーにもグリスを塗っていたのだ サビルノイヤダシ "(-""-)"


【考察】
セルクラッチが滑る振動でテーパー方向に力がかかり、グリスで滑りやすくなっていたナットが少しずつ緩んだ。
クランクシャフトの回転力がテーパー軸面全体でなく、小さいウッドラフキーだけで重いフライホイールに伝達された。
何度もセルやエンジン始動でガタガタやっているうちにキーが折れ、クランクシャフトが空回り。
シャフトの回転方向に回ればナットが緩まない設計だが、フライホイールが慣性で回りすぎればアッという間にナットは外れてしまっただろう。
つまり、テーパー軸は接触面積でエンジンの力を伝達する必要があり、ここを滑りやすくすることはウッドラフキーだけに全ての力を集中させてしまうことになる。
やはり固着するくらいで正解なのだ。(外すのメンドクサイが^^;)
さらに、キーに力を集中させないという意味では、ナットを締める際にフライホイールの慣性を利用したインパクト締めはキー破損の原因となるかもしれない。



スタータ機構のギア類も全部外しオイルシールも確認したが、前回の組付けのままきれいなものだった。
あぁ、なんとか被害はウッドラフキーだけで済んでよかった。

『火花が弱いとかそんな問題じゃないな(-"-)』
あわやジェネレータが全破壊するところだった。

ウッドラフキー(たった98円の重要部品おそるべし ^^;)とネジ類を追加注文したところである。
エンジン不動の原因がフライホイールの空回りならいいのだが。

(でも、CDI:12000円も注文しちゃったしなぁ^^; まぁいいか今後貴重になる部品だし)

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