『何か事件が起きないかなぁ』
職場でこの言葉を出すとみんなが嫌がる。
当然である。予期しない仕事が増えるのは好ましいことではない。
しかしみんなの願いをあざ笑うかのように【事件】は起こるのであった。
先月から今月にかけて1日3件などというのが立て続けに起こり、新聞沙汰が2件発生した。かわいいもんだ^^;
たまたま学生さんから「この前の事件の時の様子を講義して欲しい」と要望があったので、【グループホーム壊滅事件】を解説してあげたのだが、その内容を一部紹介しよう。
A 第1報で出来るだけ聞き取る。2回目は連絡取れないかもしれない。
B 現地調査チームが到着するまで、相手に必要資料の作成を指示する。
C 方針決定幹部会議に直接の担当者(ヒラ)が参加する。
D 現地チームのリーダーを決める。リーダーは絶対必要。
E 現地のメンバーはその人の能力で選定する。
F 指令部(残留)チームのリーダーを決める。
G 現地で調査すべきことは行く前に決定しておく。
そんなことを偉そうに話した直後、事件が発生した。
今回の事件では・・・
第1報で聞き取ることができていないため、現地に行ってはじめて【想定外の大きい事件】であることが発覚。
Aが出来ていない。膨らむ妄想(想像力)=危機管理能力なのである。
現地からの情報で事件の概要がわかると、その電話ですかさず指示をしておく。→B
対応マニュアルなど開く時間があるものか。
当面必要なことを押さえておけば、後の細かいことは時間がかかってもかまわないのである。
Cは絶対必要である。Cに参加しなければ今後の方針に沿った動きが出来ない。
つまりCに参加した者が現地チームのリーダーにならなければならない。
反対に有象無象のヒラが会議に加わるのはムダである。
D→リーダーは現地チームのみんなに行動の指示をする。みんなで仲良く相談なんかしている暇はない。仕切るのである。
(俺はしたくなかった^^;しかし、「さてどうしようか・・・」という話をしてても始まらない。早く理解して決断したほうが勝ちである)
今回の現地チームは、私が勝手に役に立つ者を必要な人数で選定した。
役職は関係ない。必要だから必要なのである。→E
F→さすがに上司に向かって「あんたリーダー」とは言えない。どうするかというと、現地からの情報をその人に集めるのである。もちろん期待のとおり各部署にきちんと伝達され、司令部からの指示もきちんと返ってくる。
間違った人に情報を集めたら、司令部内にも伝わらない。人選は正直に(笑)
自分が取り仕切るつもりならば、現地チームのすべての「調査事項・必要資材・人の配置・状況変化による調査切捨て、追加調査」など全てを妄想(^^;想像)して頭に叩き込んでおく。
でないとチームメンバーに同時に指示が出来ない。
現地で最初にすることは、きちんと概要の説明を受けメンバー全員が事件の全体像を把握の上、各行動に取りかかる事である。
最悪なのはリーダーがメンバーに調査事項や方法を指示し、説明が終われば次のメンバーに、さらに次・・・最後のメンバーはずーっと待っているパターン。
全体像を各人が把握していない(教えてもらっていない)場合にこういうことが起こる。
メンバーが自分の基本的な行動範囲を理解していれば、全体像を知ることで自分の行動や重点を置くべき事項まで【自分で考えて】くれるのである。
事件は調査が進むにつれ、その表情を刻々と変貌させる。
前提条件から変化した状況を理解し、掘り下げるべきか切り捨てるべきか・・・
その変化に耐えうるのは、やはり【その人の能力】なのである。
決してマニュアルではない。マニュアルに「その調査は切捨ててよい」とは絶対かかれていない。
人選さえ間違わなければ事件解決に対しては必要十分の行動がとれる。
偉そうに書いてきたが、結局【人】なのである。