
この間からDT125Rの再生に何かと役に立っていたウチのオヤジ。
「チェーンのカバーがないから巻き込まれて危ない」といらんアドバイス。
本当はいらないのだが、ちょいワルで乗る気もないので純正部品調達。
さっさとパーツを取り付けてバイクを家に持って帰ろう。

そんなことを考えてこの1週間休みの日を待ったのだった。
「スタッスタッとガソリンが漏れよるよ」
『あ、まだコックのネジが締め足りなかったんだろ』

それでもコックのネジを締めた。締めすぎのような気もするが。
で、チェーンのカバーを付け『どうだい』と親父に見せていると・・・

床にはガソリンの染み。

コックを見るが漏れてない。
『どこからだぁ?キャブのオーバーフローでもないし』
なんとなく触ったガソリンタンクの底辺が濡れている。

タンクの濡れているところをたどっていくと、タンクの塗装がツブになってる。
コリコリコリ・・・爪で引っかいてみた。
サビとともにポロリと取れた塗装片の下は、

『げ~タンクに穴が開いてる~』


〔ぴゅーっ〕
『うっわー、こりゃ大変』
あわててガソリンの噴水を指で押さえ、足でレンチをたぐり寄せ、カウルとシートをもぎ取り、タンクを取り外す。
とりあえず、ガソリン携行缶に満タン10L弱のガソリンを移し、事なきを得た。

自宅の庭でガソリンタンクにサンポールを入れ、シェイクしている私がいた。

いろいろネット上で探したが、やはりDT125Rのタンクは【世界中】のオークションにももはや出品されていない。
この22年前のバイクは世界的にも絶滅危惧種で、日本ではおそらく実稼動している個体があるだけで、外装パーツはもう中古もないのである。
サビサビタンクであっても、大事に復活させない限りこのバイクの寿命はつきる。
さて、タンクシーラーはネット上で評判のいいPOR15という軍用スペックの製品。
アマゾンで翌日に届いた。
火曜日に職場で昼休みにタンク内部を念入りに脱脂しながら、いろいろ考える。

念入りに2回とか3回とかコーティングすれば厚い皮膜となって大丈夫だろうが、このシーラーはいったん硬化すると再施工できない。
つまり、やや固まりつつあるのを見計らって再度投入する必要があるのだ。
さらに、余分なシーラーを抜くコック取付け用の穴(特にネジ穴)が固まって塞がれば、カッターなんかじゃ歯が立たないので金属用のタップでネジを切らなければならない。
固まらないうちに排出すると皮膜が薄く、固まりすぎるとネジ穴が死ぬ。

そうなった場合は、シーラー再施工できないし、ハンダやロウ付けでタンクに強烈な熱を加えることもできなくなる。
八方ふさがりの可能性は避けたい。
まずは確実に穴をふさごう!

とりあえず、ペーパーで周囲の塗装をはいで穴の状況を確認。
離れたところにある塗装のポッチも念のためペーパーで磨いたが、これは外側の軽いサビだけだった。

で、板金ハンダ!
どのくらいの感じで完全にふさぐことができるのか、何度かやってみたのでハンダ面が汚くなったけど。
ここからは絶対漏れてこない自信はあるな。こりゃ。

バイクに乗れるのはいつのことやら。