私はこのごろ機嫌が悪い。
何に機嫌が悪いのかは自分でも良くわからないが、無性にいらいらしている。
そんな中、飲み会になると「いらんこと」を言ってしまうのである。
「いらんこと」を言いながら、心の中では『あ、しまった』と思いながら、言葉が止まらない。
昔から、いつも飲み会の帰り道で『はぁ~』と溜息交じり。
そんなことの繰り返しである。
【反省だけならサルでもできる・・・】
金曜日に不愉快な思いだったであろう皆さんには、この場を借りてお詫び申し上げます。
今、鳥インフルエンザのニュースで日本中が大騒ぎである。
降って湧いた事件で、養鶏農家の皆さんは本当にお気の毒な限りである。
ちまたのスーパーでは「宮崎県産の鶏肉は扱っていません」だとか「福岡県産の鶏肉だけを使用しています」だとかで客離れを防止することに躍起らしい。
これに対し国は「不適切な表示に対しては改善指導する」という通達を出し風評被害を防止すると発表した。
【風評被害】
事故や事件の後,根拠のないうわさや憶測等で経済的被害などが起こること。
さて、風評被害を防止するとして国のとった行動は正しいのであろうか。
国は現在のところ一般向けに下記のような説明をしている。
・鶏肉や卵を食べて鳥インフルエンザに感染したという例は世界中でも報告されていません。
これは、数年前に鳥インフルエンザで死者が発生した時に、各国からの要望でWHOが表明した見解とされている。
たまたまWHO見解の邦訳を見つけたので以下に詳細に掲載する。
2005.12.5 WHO公表 鳥インフルエンザに関する質問への回答
質問:鶏肉や鶏肉製品を食べても安全ですか?
回答:はい。但し、現在感染が発生している国々では一定の注意が必要です。
疾病のない地域では、H5N1型ウイルスの感染を恐れる必要なく通常どおりに(よい衛生的慣習及び適切な料理法に従って)鶏肉や鶏肉製品を調理し食べることができます。
感染が発生している地域では、適切に火を通し、調理中にも適切に扱われることを条件に、鶏肉や鶏肉製品を安全に食べることができます。H5N1型ウイルスは熱に敏感です。調理に使用される標準的な温度(食品全体において70℃)でウイルスを死滅させることができます。消費者は鶏肉の全ての部分に完全に火を通す(赤い部分がない)ようにし、卵も適切に火を通す(卵黄に半熟や生の部分がない)必要があります。消費者はさらに二次汚染危険にも注意が必要です。生の鶏肉及び鶏肉製品から出る液体が調理準備中に生で食べるものに触れたり混入したり決してしないようにしなければなりません。生の鶏肉または生の鶏肉製品を扱う場合、食品の調製に関与する人は手を良く洗い、鶏肉製品に接した表面を消毒する必要があります。石鹸と湯を使用すれば十分です。感染が発生している地域では、調理したり焼いたりなどの熱処理が加えられない食べ物に生卵を使用しないようにします。
鳥インフルエンザは調理済みの食べ物からは感染しません。鶏肉や鶏肉製品がH5N1型ウイルスに汚染されていたとしても、適切に調理されたものを食べて感染したという例はこれまでにありません。
一般の人たちは身近な不安に対しては「リスクゼロ」を求めがちであり、それがいわゆる【風評被害】となって、いわれもない被害者をつくりだすことが多い。
今回も「感染の心配(リスク)は少ない」ということを十分に説明できれば不要な不安感は軽減されるのだろうが、さて、国のとった方針はというと・・・
「国民はバカだし、どうせ説明しても冷静なリスク評価などできないだろうから、スーパーに張り出されている紙を撤去させて見せなければ不安も遠のくだろう」ということらしい。
WHOの見解を見てもらえば決してリスクゼロではないことがわかるし、どのくらい注意すれば安全かも感じ取れると思う。(注意すれば大したリスクではない)
しかし国の説明に至っては下線部分から「調理済みの」という言葉を意図的に除いたもので、生鶏肉や生卵さえ無条件に安全であるかのような誤解を与えているのである。
厚生大臣がカイワレ食べる記者会見や、無毒フグの肝をおいしそうに食べてみせたS県知事とその取り巻き連中(命がけの忠誠心だよまったく)を報道する暇があったら、マスコミは今回の騒動の本当の「リスクと安全の度合い」を国民に伝える使命はないのであろうか。
知らないところで情報操作され「知らぬが仏(知らぬまま仏^^;)」にならないためにも、国民は冷静に判断し、今までの鶏肉のリスクとほとんど違わないという認識で宮崎県の農家を助けようではないか。