しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <ペリシテ人の手に>

2024-11-12 | 士師記
「イスラエルの子らは、主の目に悪であることを重ねて行った。そこで主は四十年間、彼らをペリシテ人の手に渡された。」(士師記13:1新改訳)

イスラエル人はふたたび悪を行ったので、ペリシテ人に四十年間支配されてしまった。これはダビデの支配期間とおなじ長さであり、その苦しみは非常なものだったと思われる。しかし彼らが悔い改め、偶像を捨て、神に叫んだとは記されていない。悲しむべき堕落だった。▼それでも神はあわれみのゆえに、救助者を起こされた。それがサムソンで、16章まで続く。彼は神の力に満たされた時、信じられないような勝利を上げた。文字通り獅子奮迅(ししふんじん)の働きである。だが女性に弱く、それが致命傷(ちめいしょう)となって悲劇的(ひげきてき)死をとげる。一般のドラマとしてはおもしろいし、昔から演劇(えんげき)や絵画の題材として取り上げられてきた。▼キリスト者が聖霊に満たされ、支配されることと、サムソンが神の霊に満たされたことはあきらかにちがう。キリストの十字架により、罪の力と肉欲に勝利しなければ、どれだけ大きな成果をおさめてもむなしい。サムソンの生涯はその典型といえよう。「子たちよ。今、私に聞き従い、注意して私の口のことばを聞け。彼女(遊女)の道に、心がそれて行ってはならない。その通り道に迷い込んではならない。この女は多くの者を切り倒し、殺された者は数えきれない。その女の家はよみへの道。死の部屋に下って行く。」(箴言7:24~27同)