なぜ君は昼間からパジャマを着ているの
第2次世界大戦下、8歳の少年の鉄条網を隔てた友情を描き、少年時代にふさわしい純粋・無垢を許さない戦争の残酷さを伝えています。
ナチスとホロコーストを描いた作品は数多くありますが、加害者の家族、少年の目線で描いた作品として、ホロコーストを子どもたち自身が語り継いでいくことへの挑戦を感じます。
本作は児童書として書かれた小説を原作にしています。
少年として当たり前の感情、友達を信じ、守ろうとする行動が悲しい結末に導かれていくことへの理不尽さに静かな憤りが呼び起こされます。
不安に追いやられる中、堅く握り締められた子どもたちの手が、その理不尽さを生み出したものたちへの無言の告発となっているのでしょう。何百万人という多くの人の声なき声を、自分の心の叫びとするために、私たちはまだまだ多くの思いを吸収していくことが必要だと思います。
東京では、角川シネマ@新宿、恵比寿ガーデンシネマで上映中☆
原作はアイルランド出身の作家:ボイン