鹿児島のイチローの「再び“ホームラン追求”の道へ」
いつまでも、いくら年をとっても野球をやっているうちは、「打者(バッター)」でいるうちは「打者(スラッガー)」で居たい。そんな願望を地で行くお爺様、満山一郎氏。僕ら永遠の野球少年野郎でも憧れる存在です。
そんな方が提唱したバットの破壊力係数。インパクトの時、バットの材質を無視して算出される「バットの体力」。どれだけすごいバットかの指標です。バットのOPSみたいな存在と言ってもいいでしょう。
その指標は
(バットの全長[cm])÷(バットの先端からの重心の位置[cm])×(バットの重さ[kg])=「破壊力係数」で算出されます。長いバットほど、重心の位置が先端にあるほど、バットが重いほど数値は高くなり、重量ではない重さ、パワフルさを数字で表すことができます。
そんな数字を家にいる5本の木製バット+オマケの3本で算出してみました。
こいつらです。左から
SPBW-13(言わずと知れた相棒。メイプル+合竹のラミバット)
QBB0030(アニキ専用機。メイプル)
RB-45T(Rawlingsの合竹バット)
TRB2014XT(1000g平均のトレーニングバット。材質は青ダモまたはメイプル)
BHW4MV G2(北米産ハードメイプルバット)
です。どれもバット長84cmなので、重量と重心の位置で破壊力係数が決まります。
では早速重心の位置と重量を測っていきたいのですが、重心ってどうやって調べればいいの?と。
簡易重心計測器!二つのスティックポスターを徐々に狭めていくと・・・
このようにぴったりくっ付けても傾かない場所があります。二つのスティックポスターの間が重心の位置です(多分そう)
重量はいつものTANITAのデジタルはかりにお任せしました。では5本一気に結果をどうぞ。
SPBW-13 84/27.7*0.887=2.689
QBB0030 84/27.6*0.918=2.794
RB-45T 84/27.4*0.886=2.716
TRB2014XMT 84/27.5*0.992=3.030
BHW4MV G2 84/27.4*0.899=2.725
重量があるトレーニングバットはさすがに数値が高く、5本の中で唯一3超えをしました。また意外なことに、RB-45TやBHW4MVの重心の位置が先端寄りで、数値が高かったことに驚きました。逆にSPBW-13は軽い上に重心の位置も手元に近いために一番低い数値となりました。そしてQBB0030はスイングしたときの感触と同様に「重たい」と感じる結果になりました。
んでオマケの金属バット三本
RB7178(硬式金属):83/33.2*0.912=2.28
RB3178(一般軟式金属):85/35.2*0.729=1.760
BAT7904(少年軟式金属):78/30.3*0.623=1.603
こうして見てみると硬式金属バットでも意外と低いことがわかります。重量は確かに900g以上ありますが、重心の位置が手元に近いため重量ほど重さを感じないバットになっています。もっともRB7178がシュアヒッター向けバットということでもありますが。バットのプロフィールが実証された結果です。
他の硬式金属や軟式金属バットを測ってないのでわかりませんが、硬式金属では2.2~2.7くらいが主だった数値になるのではないでしょうか。一般軟式ならば1.5~2、少年軟式なら1.2~1.7くらい。大体0.5の中でそのカテゴリのバットが存在する、っていうのが僕の仮説。
ただこの破壊力係数、数値が高ければ飛距離が出るわけではありません。数値が低くても金属バットならばボールとの反発力が木製バットよりも優れていますし、数値が高いバットを使ってとしても打者自体の体力によってバット本来の力を出せないこともあるからです。1kgのバットを振って70km/hのスイングと50km/hのスイングじゃ前者の方が基本的にボールがよく飛びます。破壊力係数が高いバットを使えばいいってわけじゃないですね。あくまでバット自身のすごさの目安です。
でも、どうしてもTRB2014XMTよりQBB0030のほうが振りにくい気がするのはなぜでしょうかね?