材質:ホワイトアッシュ
長さ:83.8cm(33inch)
重量:850g
グリップ最細:23.8mm
グリップエンド:39.0mm
ノブ厚さ:20.0mm
ノブ直径:49.4mm
日本で発売されているものではなく、アメリカ本国で発売されたホワイトアッシュのバットです。形状はルイスビルスラッガーのM110を模していて、全身塗装無しの生木出し仕様のアメリカンなバットです。日本の多湿な気候だと塗装有りの方が良いようですね。
ヘッドくり抜き加工有りで重量も相まってとても振り抜きやすいです。そしてこのバットの最大の特徴は、バレル部分を骨で研磨してあること。
Bone Rubbing Wood Bats - Rawlings Baseball
ホワイトアッシュは硬い木材ですが、バッティングで何度も衝撃を受けると木目が剥がれていき最終的に反発力が低下します。その状態になるのを防ぐために骨という固い物質で擦って木目を締めるという処理が施されています。昔の人は骨ではなくてビール瓶で扱いてたそうですね。他にも
火で炙って木目に焼き入れ加工するという処理を施すバットもあります。
ただしこの骨研磨加工、現在の日本の木製バットのルールでは認められていないようです。当たり前ですがBFJマークも付いていないので、このバットは公式戦では使用できません。
M110の特徴、大き目のフレアノブです。手元を大きくすることでヘッドの重さを感じさせない好バランスなモデルになっています。素直にバットが出て、振り抜きやすい。
テーパー部からバレルは大きな特徴はなく、太くも細くもない印象です。打つというより打ち返す、弾き返すという表現が似合うバットです。大きいのを狙うより内野の頭を越え左中間右中間へ速い打球を飛ばすためのバット。俗にいうシュアなバッティングができます。
850gって軽くない?と思われるかもしれませんが、昨今の木製バット事情を窺うと900g以下の物が増えてきたようです。バットの重さを利用して打ち負けないことからスイングスピードと振り抜きやすさを向上させ自分のインパクトポイントで打つという考え方になってきたのかな?ピッチャーの平均球速が上がってきたことが大きな要因の一つでしょう。逆に言えば150km/hを超える剛速球でもしっかりコンタクトできれば、インパクトポイントで捉えられれば、あとは自分の体力でスタンドまで持って行くというバッターが増えてきた気がします。圧縮バットを使っていた時代から考え方が180度変わったんだなぁ。
ただし軽い木材ほど密度は下がるのが一般的。このバットもそうであるらしくハンドルのところに何本もスジが入っていて、すぐに真っ二つに折れてしまいそうな様子です。ホワイトアッシュは打球部の耐久力の低さもさることながら、折れることに対する耐久力も低い気がします。
実際このバットより後に買ったホワイトアッシュのバットがあるのですが、既に折ってしまいました。ヘタッピッピッピー
NPBでも耐久力の低さと強く弾くバットの優位性からか以前にも増してホワイトアッシュのバットを使用する選手が減った気がします。今や九割九分メイプルのバットが使用される中、ホワイトアッシュはマニアックなバットとして生き残っていくのでしょうか。いやね、焼き入れ加工すると木目が際立って格好良いんだワ。メイプルに焼き入れ加工すると茶色くなるだけなんだけど、トネリコ系の環孔材のバットは焼き入れ加工が格好良い。白木にバシッと焼き入れしてあると「ああ、木の棒使ってんだなぁ」って強く感じるもん。バッティングに使用しないで飾っておくバットを買うならトネリコ系焼き入れのバットをオーダーで作るねうん。