「早起きは三文の得」は本当? 3つの「生産性向上の秘訣」を検証(ライフハッカー[日本版]) - goo ニュース
「生産性向上」の究極の目的は、義務的な仕事をできるだけ早く片づけ、「やりたい仕事」にあてる時間を捻出することです。しかし、よく言われる生産性向上アプローチを片っ端から実行していたら「書類やメールをあれこれ動かした挙句に何も片づいていない」という事態に陥りかねません。日々をシンプルに過ごすためにも、生産性向上の通説を検証してみました。
通説その1:早起きは三文の得
無理してでも朝型人間になれば、仕事はサクサク片づき生産性の悩みも一気に解消。よく聞くことです。これは、生物学者Christoph Randler氏の「早起きな人は生産性が高い」という研究結果に端を発しています。研究の詳細とRandler氏本人によるコメントは米誌「Harvard Business Review」にも掲載されました。
巷に出回っている「早起き=生産性」という図式は、だいたいがこの研究を基にしているのですが、実際はちょっと違います。Randler氏の研究は、「早起きな人の思考回路は非常に前向きで、1日を通して精力的に仕事に取り組む」と指摘したにすぎません。この結論自体はごく納得のいくものですね。私たちは大抵、早起きすれば丸1日を有効に使えて、多くの仕事が片づくと信じ込まされて育っていますから。
2011年に学術誌「Thinking & Reasoning」発表された別の研究こそ、私たちが肝に銘じておくべきものです。生産性と創造性を発揮する鍵は、自分にとって仕事が一番はかどる時間帯に働くことだというのです。
早起きが得意な人や、朝早い職業の人にとっては、午前中がもっとも生産性を発揮できる時間帯。だから、いちばん手間のかかる仕事は、朝早くに片づけた方が良さそうです。午後になって集中力が落ちてきたら、ペースダウンして、ブレインストーミングに時間を使うなど、創造性の発揮を心がけましょう。朝が苦手な人や、午後や夕方に仕事をするのに向いている人は、順序を逆にしてみてください。
結局のところ、早起きは誰にも邪魔されない時間が手に入るというだけのことで、必ずしも生産性に直結するわけではありません。
通説その2:スランプは根性で切り抜けろ
スランプに陥ったらとにかく根性で乗り切れ、と言われた経験はありませんか? これもまた、誰もが知る生産性向上の通説です(ありがたいことに、最近はあまり流行らないようですが)。手を抜かずにコツコツと取り組み、創造性や生産性の障壁にひたすら働きかければ、きっといつかは打破できるという主張です。
事実は正反対です。1972年、学術誌「Journal of Personality and Social Psychology」に掲載されたある研究が、いち早くこの通説を覆し、意志の力には限りがあるので賢く使うべきだと切り捨てています。
例えば、馬にムチを振るえば振るうほど、馬の走るスピードと距離は下降線をたどります。同様に、自分にいくらムチ打っても、ある一点を境に、成果は落ち込む一方なのです。ならば、気分転換のために別の仕事をしたり、仕事とはまったく違うことをして充電する「完全な休憩」を取ったりすべきです。
残念なことに、こういった行動を奨励する職場は多くないのですが、少しの間だけ違う仕事をする程度なら、できないことはないでしょう。席を離れて少し歩いてから、元の仕事に戻ってもいいかもしれませんね。
2009年に「Harvard Business Review」に掲載された全米人材マネジメント協会(SHRM)の研究では、一歩踏み込んで、企業は社員に休憩と散歩を義務づけるべきだと提案しています。そうすることで生産性アップが見込めるというのです。
通説その3:マルチモニターは生産性を高める? 落とす?
マルチモニターについては、生産性向上に有効だという説と、妨げになるという説があります。確実に言えることは、マルチモニターが生産性を高めるかどうかは、すべて仕事の中身とやり方次第だということ。生産性を高めるとも落とすとも、単純には言えないのです。
数年前、マルチモニターは生産性向上に効果的だとの主張が流行りましたが、これらの記事で引用されていた論文は、どれもまったく違った結論を出していました。以下に見ていきましょう。
マルチモニターの生産性への効果を論じた研究としてよく参照されるのは、2005年のPfeiffer Consulting社のレポートです。この調査、実はAppleの依頼によるものでした。しかもこのレポートは、当時最新の30インチのApple Cinema Displayの発売と同時に発表されました。現にこの調査は、大事なのはモニターの数より画面サイズであると結論づけています
ユタ大学も2008年に同じような研究を行い、同じような結果を公表しています。注目すべきは、この研究がNEC Display Solutions社による依頼で実施されたことです。ただしこの研究は、結論も手法も妥当ではあります。結局のところ、文書作成や表計算ソフトを使うのであれば、小さなモニター1つよりは、1つでも2つでも大きなモニターのほうが生産性が高まるのは間違いありません
Microsoftも同じような目論見から、2003年という大昔に、自社で研究を行っています。その結論は、画面サイズの大型化こそが生産性向上の秘訣ではあるが、マルチモニターでそれを代用できるというものでした
こういった調査研究の多くは、大きなモニターひとつよりも、小さくてもマルチモニターにすることを奨励しています。しかし、それは単に当時は大きなモニターが生産されていなかったか、目玉が飛び出るほど高額だったからにすぎません。
現実的に見て、あまり見かけない30インチモニター1台よりも、24インチモニター2台を売り込む方が好都合だったのでしょう。何しろ、当時30インチのモニターを製造していたのはアップル社だけで、それも途方もない値がついていたのですから。
しかし、悩む必要はありません。文章作成や表計算ソフトでの作業がほとんどという人は、開くアプリケーションの数も比較的少ないので、モニターの数よりは画面サイズを重視すべきだと言えるでしょう。実行中のさまざまなアプリケーションやウィンドウ、ワークスペースを切り替えての作業が必要な人の場合は、モニターの数は画面サイズよりも重要です。自分にとって何が重要なのかを見極め、いろいろ比較した上でモニターを購入してください。
Alan Henry(原文/訳:遠藤康子、江藤千夏/ガリレオ)
早起きは三文の得のことわざを実際に検証してみるのは面白いことですね。
結果はちょっと曖昧なようですが、自分の性格を心得て、効率よく時間を使うことが大切なようですね。
忙しい、忙しい、という人は実は本当は忙しいのではなくて、仕事の段取りや、進め方が悪いことが忙しさの原因だったりして。
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「生産性向上」の究極の目的は、義務的な仕事をできるだけ早く片づけ、「やりたい仕事」にあてる時間を捻出することです。しかし、よく言われる生産性向上アプローチを片っ端から実行していたら「書類やメールをあれこれ動かした挙句に何も片づいていない」という事態に陥りかねません。日々をシンプルに過ごすためにも、生産性向上の通説を検証してみました。
通説その1:早起きは三文の得
無理してでも朝型人間になれば、仕事はサクサク片づき生産性の悩みも一気に解消。よく聞くことです。これは、生物学者Christoph Randler氏の「早起きな人は生産性が高い」という研究結果に端を発しています。研究の詳細とRandler氏本人によるコメントは米誌「Harvard Business Review」にも掲載されました。
巷に出回っている「早起き=生産性」という図式は、だいたいがこの研究を基にしているのですが、実際はちょっと違います。Randler氏の研究は、「早起きな人の思考回路は非常に前向きで、1日を通して精力的に仕事に取り組む」と指摘したにすぎません。この結論自体はごく納得のいくものですね。私たちは大抵、早起きすれば丸1日を有効に使えて、多くの仕事が片づくと信じ込まされて育っていますから。
2011年に学術誌「Thinking & Reasoning」発表された別の研究こそ、私たちが肝に銘じておくべきものです。生産性と創造性を発揮する鍵は、自分にとって仕事が一番はかどる時間帯に働くことだというのです。
早起きが得意な人や、朝早い職業の人にとっては、午前中がもっとも生産性を発揮できる時間帯。だから、いちばん手間のかかる仕事は、朝早くに片づけた方が良さそうです。午後になって集中力が落ちてきたら、ペースダウンして、ブレインストーミングに時間を使うなど、創造性の発揮を心がけましょう。朝が苦手な人や、午後や夕方に仕事をするのに向いている人は、順序を逆にしてみてください。
結局のところ、早起きは誰にも邪魔されない時間が手に入るというだけのことで、必ずしも生産性に直結するわけではありません。
通説その2:スランプは根性で切り抜けろ
スランプに陥ったらとにかく根性で乗り切れ、と言われた経験はありませんか? これもまた、誰もが知る生産性向上の通説です(ありがたいことに、最近はあまり流行らないようですが)。手を抜かずにコツコツと取り組み、創造性や生産性の障壁にひたすら働きかければ、きっといつかは打破できるという主張です。
事実は正反対です。1972年、学術誌「Journal of Personality and Social Psychology」に掲載されたある研究が、いち早くこの通説を覆し、意志の力には限りがあるので賢く使うべきだと切り捨てています。
例えば、馬にムチを振るえば振るうほど、馬の走るスピードと距離は下降線をたどります。同様に、自分にいくらムチ打っても、ある一点を境に、成果は落ち込む一方なのです。ならば、気分転換のために別の仕事をしたり、仕事とはまったく違うことをして充電する「完全な休憩」を取ったりすべきです。
残念なことに、こういった行動を奨励する職場は多くないのですが、少しの間だけ違う仕事をする程度なら、できないことはないでしょう。席を離れて少し歩いてから、元の仕事に戻ってもいいかもしれませんね。
2009年に「Harvard Business Review」に掲載された全米人材マネジメント協会(SHRM)の研究では、一歩踏み込んで、企業は社員に休憩と散歩を義務づけるべきだと提案しています。そうすることで生産性アップが見込めるというのです。
通説その3:マルチモニターは生産性を高める? 落とす?
マルチモニターについては、生産性向上に有効だという説と、妨げになるという説があります。確実に言えることは、マルチモニターが生産性を高めるかどうかは、すべて仕事の中身とやり方次第だということ。生産性を高めるとも落とすとも、単純には言えないのです。
数年前、マルチモニターは生産性向上に効果的だとの主張が流行りましたが、これらの記事で引用されていた論文は、どれもまったく違った結論を出していました。以下に見ていきましょう。
マルチモニターの生産性への効果を論じた研究としてよく参照されるのは、2005年のPfeiffer Consulting社のレポートです。この調査、実はAppleの依頼によるものでした。しかもこのレポートは、当時最新の30インチのApple Cinema Displayの発売と同時に発表されました。現にこの調査は、大事なのはモニターの数より画面サイズであると結論づけています
ユタ大学も2008年に同じような研究を行い、同じような結果を公表しています。注目すべきは、この研究がNEC Display Solutions社による依頼で実施されたことです。ただしこの研究は、結論も手法も妥当ではあります。結局のところ、文書作成や表計算ソフトを使うのであれば、小さなモニター1つよりは、1つでも2つでも大きなモニターのほうが生産性が高まるのは間違いありません
Microsoftも同じような目論見から、2003年という大昔に、自社で研究を行っています。その結論は、画面サイズの大型化こそが生産性向上の秘訣ではあるが、マルチモニターでそれを代用できるというものでした
こういった調査研究の多くは、大きなモニターひとつよりも、小さくてもマルチモニターにすることを奨励しています。しかし、それは単に当時は大きなモニターが生産されていなかったか、目玉が飛び出るほど高額だったからにすぎません。
現実的に見て、あまり見かけない30インチモニター1台よりも、24インチモニター2台を売り込む方が好都合だったのでしょう。何しろ、当時30インチのモニターを製造していたのはアップル社だけで、それも途方もない値がついていたのですから。
しかし、悩む必要はありません。文章作成や表計算ソフトでの作業がほとんどという人は、開くアプリケーションの数も比較的少ないので、モニターの数よりは画面サイズを重視すべきだと言えるでしょう。実行中のさまざまなアプリケーションやウィンドウ、ワークスペースを切り替えての作業が必要な人の場合は、モニターの数は画面サイズよりも重要です。自分にとって何が重要なのかを見極め、いろいろ比較した上でモニターを購入してください。
Alan Henry(原文/訳:遠藤康子、江藤千夏/ガリレオ)
早起きは三文の得のことわざを実際に検証してみるのは面白いことですね。
結果はちょっと曖昧なようですが、自分の性格を心得て、効率よく時間を使うことが大切なようですね。
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