Mrs.ベリーのVeryな一日

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嫌われ松子の一生 (下)

2006年07月20日 11時20分58秒 | ベリーの感想文(本・映画)
嫌われ松子の一生 (下)

幻冬舎

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天気    あさから大雨注意

山田宗樹 著 : 嫌われ松子の一生 (下)
を、読みました。


下巻のスタートは、博多を出た松子が次に住んだ街での
生活からはじまります。
悪い男に自分が騙されている事を知った松子は
逆上し、その男を殺してしまいます。
長い刑期を終えてもなお、松子は安住の場所を見つけることは
出来ず、さらに深い転落の人生にはまってゆきます。

松子の甥にあたる、大学生の笙の物語と、と松子の独白は
松子はいったい誰に殺されてしまったのか?という謎を
少しづつ解き明かしてゆきます。

はじめ伯母の死を、迷惑だとさえ感じていた笙は
次第に一人の女の、人生の不思議に引き込まれ
松子のふるさとを出てからの足取りを探り
いろんな人と出会い、だんだんと松子という人が
カタチになり、確かに生きていた一人の人間として
浮かび上がります。

この本の感想には、松子のまっすぐな生き方に感動したという
意見が多いようです。
確かに、ストーリーとしてはとても面白い物語ですが
私としては感動というよりも、戒めのようなモノを強く感じました。
誰にでも転落の可能性があり、その始まりは
ほんの些細な出来事、小さな事件。
子ども時代の勘違い、思い違い
はじめは少しづつ、でもどんどんその差は大きくなりながら
何かと何かがズレていって、気がつけばとんでもない事に・・・。

誰にでもある転落の可能性を、厳粛に受け止めて
いつも感謝の心を忘れずに、明るめの未来をイメージして
行きたいと、強く誓わずには入れない本でした。