![]() |
ランドマーク 講談社 このアイテムの詳細を見る |
天気 の忙しい天気 夜は涼し~!
吉田修一 著 : ランドマーク
を読みました。
さいたまの大宮にできる事になった、
スパイラルo-miya(おーみや)は、空に向かって
グングン捩れながらそびえるビル。
それを設計した男、犬飼と、それを建てている
現場労働者、隼人のそれぞれの物語。
両者は物語前半で一度出会いますが
言葉を交わすこともなく、その後の交流もありません。
若い現場労働者の隼人は、イライラしない生活に
不安を覚え、イライラする為に
貞操帯つけてを暮らしています。
建築士犬飼は、激務の中で人の感情を
すり減らしながら生きているのに気がつきません。
両者の生活はまるで、この本に登場するビルのよう。
じわりじわりと捩れ、それは留まることなく
グングン成長している感じ。
パレードや、春バーニーズで でも感じたんですが
吉田作品って、作品によっては
独特な冷酷さや怖さを感じます。
人の心の中のものを、リアルに映し出しているのでしょうが
この作品にも、背筋がすーっと冷えてゆくような
そんな怖さを感じました。