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おやすみ、こわい夢を見ないように 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
天気 とっても涼しくて気持ちいい
角田光代 著 : おやすみ、こわい夢を見ないように
を、読みました。
7つの物語が綴られた短編集。
ブックレビューを見ていると、☆印二個や、一個で
あまり良い評判ではないこの本。
なぜかと言うと・・・・。
全ての物語が負の意識一色です。
テーマは、人間が抱える負の精神だったのかも知れません。
ずっと教師から虐待されていた女性。
自分を包む全ての人間を呪っている少女。
父の死後変わってしまった母は、日常的に
父を憎んでいたと気付く、主婦。
美しい容姿の母が、醜い娘に対して抱く感情。
どれも、吐き気がしそうなほどに強い負の意識の
オンパレードなのですが、一作一作ラストの
数ページで、最後の数行で、主人公は必ず何かに
気付きます。
どうして憎んでいるのか?どうして呪っていたのか?
いろいろな人間が抱える負の心を、繊細な観察眼で
あっけらかんとした文章で、綴っています。
読んでいて楽しくもなく、可愛くもなく、嬉しくもない
一冊ですが、もしかすると見ようによっては
考えようによっては、幸せになれる方法を
考えるきっかけをくれる本かもしれません。