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あしたはうんと遠くへいこう 角川書店 このアイテムの詳細を見る |
天気 11月なのにあったかい
角田光代 著 : あしたはうんと遠くへいこう
を、読みました。
釜山に連れて行ったはずなのに、結局今読み終わりました。
一人の女性の15年間の恋愛記録的小説で
恋愛とともに沢山の音楽が綴られています。
栗原泉は17歳。大学受験を目前に、好きな洋楽を編集した
テープ作りに夢中です。片思いの野崎修三に渡すために
多々の妄想を織り交ぜながら、自分の世界にひたった作業に
没頭しています。
その恋愛をかわきりに32歳までの15年間、
主人公はいろんな男と、いろんなカタチで恋愛をします。
いつも角田作品に感じるテーマ、ここではないどこか的な
ものが、ここにも描かれています。
作者は大きな賞を沢山とって、多くの人にその才能を認められている
人物ですが、作品の多くに作者とは逆の
何者にもなれないと焦る人が登場します。
この作品の主人公も、そういうタイプの人間でしたが、
そういう逆の立場の人の心の動きが
細かく書いてあって、ほんとに凄いなと思いました。
恋愛の盲目さを、淡々と書いた作品です。