輪違屋糸里 下 浅田 次郎 文藝春秋 このアイテムの詳細を見る |
浅田次郎 著 : 輪違屋糸里(下)
を、読みました。
天井人の如く、自らを美しく磨きあげた糸里は
新撰組副長の土方の望みを、甘んじて受け入れました。
普通の女なら、絶対に理解できない、身に降りかかる理不尽さを
疑いもなく受け入れるほど、深い愛情に満ちた糸里に
鳥肌が立つほど、衝撃を受けました。
雨の夜の、歴史の流れを変えたかも知れぬ事件に
関わりながら、しかし男どもの言いなりでは終わらない
糸里の聡明さ、強さ、そして愛情。
小浜に移った、親友の吉栄に生まれた
女の赤ちゃんは、糸と命名され
彼女が得る事が出来なかった、浜辺での愛情に満ちた
生涯を送るのでしょう。
きっと、それで糸里の願いは、かなえられるのでしょう。
16歳の絶世の美女のうちにあふれる
豊かな愛情の物語だと思いました。