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オトナの片思い 石田 衣良・角田光代 他 角川春樹事務所 このアイテムの詳細を見る |
天気 福岡の桜はまだまだ
角田光代 著 : 若葉の恋
を、読みました。
あなたが大人になったなと思う瞬間ってどんな時?
主人公の沢渡友佳が、それを心底実感するのはこんな時。
“バーでラフロイグのロックを飲むときでもなく、
ほしかった漫画を20巻まとめて買うときでもなく、
目じりのしわを目立たなくするクリームを塗りこむときでもなく、
住まいの近所の定食屋で、おろしカツ定食を食べるときだった。”
~本文より~
なぜそう思うのか、それが書いてあるところを読んで
「う~~~~~っ!わかるっ。」と
思わずうなってしまいました。
いろんな瞬間に、人は大人になったことを実感し
ちょっとクサい事を言うならば、青春が去ってしまった事を実感する
そんな瞬間が、かなり若いうちから度々あるのでしょうが
そんなことが、この本の冒頭も場面が描いてありました。
主人公は、私よりちょっと年上の女性。
その彼女は、定食屋さんで一人で食事が出来てしまうほど
大人になってしまった女性ですが
この本のタイトル通り、この女性もまた片思いの恋をするのです。
いろんな現実を知ってしまって、世の無常を沢山見てきた
大人の女性でも、やっぱり恋って突如として目の前に現れる。
それはもう、大人の範疇には納まらない感情です。
彼女の片思いの行く末は、当然本にはありませんが
大人の理性と感性で、この片思いのを楽しんでほしいと思いました。