Mrs.ベリーのVeryな一日

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森に眠る魚

2009年01月09日 14時54分41秒 | ベリーの感想文(本・映画)
森に眠る魚
角田 光代
双葉社

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角田光代 著 : 森に眠る魚
を、読みました。


東京の文京地区に住む5人の女性は、みな幼い子供を持つ母親で
子どもを通して知り合い、いつしか固い絆で結ばれた友人になりました。
子どもを育てながら、感じる孤独や不安を分け合える
そして、子どもつながりでは決してない、お互いを尊重し合える
自分の友達を得たような気がしていました。
しかし、子どもの成長とともに少しずつ生じた亀裂。
彼女たちは、いつの間にかそれぞれが深い森の中に迷い込んでゆくのです。


熾烈な小学校受験を、題材にした作品ですが
母親たちの、不安や孤独や、焦燥感を見事にあぶりだした作品です。
子どもを通してかかわって行く、人間関係の複雑さって独特のものだと思います。
誰もみな、心の奥深くまで人を理解することは不可能で
自分に対してもそれは、言えること。
そうして、迷い込んでゆく森の中で感じる、猜疑心や劣等感や、焦燥感は
さらに森の奥深くまで、私たちを導き迷わせます。
もう、そこからは一生出られないんじゃないかと、恐怖を感じてしまうほどに。
そんな感覚が、選び抜かれた言葉で物語ってあり
とても読み応えがありました。


今年最初に読んだ小説も、やはり私にいろんなことを教え、見せてくれました。