Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

砂の上のあなた

2010年12月13日 15時23分09秒 | ベリーの感想文(本・映画)
砂の上のあなた
白石 一文
新潮社
天気        朝から雨は降り続く



白石一文 著 : 砂の上のあなた
を、読みました。


35歳の美砂子は、ずっと欲しくなかった子どもを欲しいと思うようになる。
父の死をきっかけに、芽生えた感情は、
思いがけない人間のしがらみや縁を堀おこし、一人の人間の背後にある
沢山の人間関係を思い知る。
人が人を産み出す事を、白石的視点から描いた作品。



この本をハードカバーで買った理由は、
ある雑誌に載っていた、この本についての著者のインタビューを読んだからです。
著者は、男女の愛情を保とうとするならば、子どもは邪魔だと言い切り、
出産した女性が、子どもを産み落とした時多くの女性が
「私は一人じゃなくなった。」と言うが、「あなたは一人です!」と、
言いきっていた、歯切れのよいインタビュー記事に強烈なインパクトを感じ
滅多に買わないハードカバーの購入をせずにはいられませんでした。


多くの女性は、この意見に非難轟々なのでしょうが、
私は一理あると、すんなり受け入れられました。
100%もろ手をあげて、賛成していないのは
自ら出産を経験していますし、子どもも育てているし、
その結果、子どもが百害あって一利なしとは思えないからです。
しかし、男女の愛情だけに限れば、子どもの存在によって
形が変わってゆくのは、その通りだと思います。
多くの女性は、子どもを産むと、取り憑かれたように子どもに専念し
夫の事を忘れ去ってしまう方が多いように見えます。
実は私も、そんな風になりかけた時期があったように思います。
振り返ってはじめて、気が付きはしますが、
振り返らない人は、一生夫への愛情を忘れたままに、子どもを育てるのかもしれません。
それは、まるで砂上の楼閣のごとき、危うさかもしれないと思いもせずに。
私は一人じゃないと、強く感じながら・・・。


でも、やっぱ人は死ぬまで一人だと思います。
いくらいとおしい子どもでも、彼らの人生があり
彼らの人生に同化して生きてゆくことは、出来ません。
私は、著者と同じ意見は持てませんが、
言っていることはよくわかる。ので、私個人は
フランス的カップルの感覚で行こうと思います。
“先ずはカップルありき!”そのあとからやってきた子どもは
子どもとして受け入れ、自分の伴侶ではない事を
しっかり自覚して。



子どもは尊く、愛おしい神様からのプレゼントですが、
そのプレゼントを運んでくれたのは、他でもないパートナーですものね。