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晴天の迷いクジラ |
窪 美澄 | |
新潮社 |
窪美澄 著 : 晴天の迷いクジラ
を、読みました。
東北の田舎町の農家の6人家族で育った由人は、
母と祖母の確執の板挟みになって、育った。
そこから逃れて、たどり着いた東京で
精神を壊しながらも、必死で働いていた。
野乃花は、由人が務めるデザイン会社の女社長。
故郷に残してきた過去は、若さゆえに手放してしまった
大切なものだった。
会社は倒産寸前、彼女にはもう何もなくなってしまうのか?
正子は、16歳。
潔癖で子どもに異常な執着を見せる母に育てられ
思春期の彼女の心も体も限界に来ていた。
そんな三人の幼いころからの生い立ちを丁寧に描き
そして、ひょんなことから出会い、
同じタイミングで自分と向かい合い始める。
窪美澄にハマっちゃいまして、借りてきたんですが
やっぱ面白かったです。
タイトルが、なんだかダリの絵みたいに
突拍子ない感じがしていたのですが
読んでみて「あ~、なるほどね」と思いました。
3人それぞれが、クジラに自分を重ねていたのかな
人は生きていれば誰でも入り江に迷い込むはずだから。
そんで、傷ついたまま海に帰って行って
もっと辛いことが待ってるかもしれないけど・・・・。
でも、ギリ死ななきゃいいんだよね。
生きてくってやっぱサバイバルだな~。