セシルとジョルジュ
1857−1944
社会は50年も100年も経つと随分変化する。
電車の無い時代から地下鉄のある時代へ。
電話の無い時代から携帯電話の時代へ。
物質的な変化は判りやすく人間への影響も大きい。
いつの時代も新しいものを探して人間は変化を望む。
でも内面はそう大きく変化しないかな?とも思うのだ。
セシルにはピアノを弾く母がいた。
小さな頃にパリに引越しをして自宅は音楽サロンになり
若き優秀な音楽家たちが出入りする環境になる。
ピアノの上手な小さなセシルは作曲もして披露し
ご近所だった20代のジョルジュに見出されるのだ。
音楽学校はまだ女子を迎え入れていない時代。
ピアノ、和声学音楽様式、作曲、ヴァイオリンの個人教授がつく。
18歳でピアニストとしてデビューして51歳でアメリカ公演もする。
国際的に活躍して350曲も作品を残すのだ。
1912年?フルートのためにコンチェルティーノを55歳?で作曲か出版か。
古き良き時代のロマン派の音楽は1900年を境に
近代へと露骨に転換するのだけれど
一人の作曲家が生み出す作品は
時代の波に乗って簡単に変化するようなものじゃない。
その人自身だと思う。
晩年のセシル・シャミナードが幸せであって欲しい。
コンチェルティーノは今、多くのフルート奏者に愛されている。
ジョルジュ・ビゼーにお礼を言わないとね。