フルート吹きのほっと一息

フルートのこと、音楽のこと、作曲家のこと。そして愛犬トム君との日々。
一緒に楽しんでくださると嬉しいです

恩師 増永弘昭 4

2006年05月31日 | 恩師 増永弘昭先生
使っていた教則本は
ハンス=ペーター・シュミッツ著 フルート教本1、2 音楽の友社
でした。この本はバロックから現代まで収められていて
音、時代様式、アナリーゼ等、全てのテクニックと知識を
養うための教則本です。
一曲ずつが短く、音列も複雑ではないので、
一見初心者用の本に見えるのですが、
専門家の指導のために緻密に書かれていると、
今は感じています。

まず、徹底的に指導されたことは拍子の取り方です。

拍子の中の長い短い重たい軽いといった、バランスの取り方、
小節線の越え方、つまりアウフタクトの作り方、
小節単位の読み方。
それをバロック、古典派、ロマン派でどう違うのかを
数年かけて叩き込んでくださいました。

これは日本人的感覚や知識の範疇のものではなく、
留学しても2~3年で身に付けるのは難しいかなと思います。

余談ですが   
師匠の日本語の発音はちょっと分かりづらくて
「大阪人が標準語をドイツ語の発音でしゃべっているよねー」
なんて言うのが聞こえた日には
「なにバカなことを言っているんですか!これが標準です」
なんて無表情に。でも、笑ってましたね~。なつかしい。

恩師 増永弘昭 3

2006年05月30日 | 恩師 増永弘昭先生
増永先生はドイツのオーケストラで長いこと演奏をしていて、
H・P・シュミッツ(ベルリンフィルにいた)の
レッスンを長期間、系統的に受けて来ていました。
シュミッツの考えの全てを生き写しのように
実践されていたように思われました。

ドイツ語ペラペラで身長も高く、立派な体格をしていて、
それはもう、日本人離れしたというか、
ドイツ人よりドイツ人らしい演奏をしていて、
この出会いで、私は「東京に留学」を確信したのです。

レッスンはまず、音の響きを全身で理解させることから
始まっていました。
アジア的笛の音ではなく、おおらかな力強い響きです。

今でこそフルートが勝手に鳴っている感じですが、
当時の私はそこそこ吹けはしたものの、
とてもそば鳴りでフルートに息を押し付けて
むりやり鳴らしていたのですよね。

この、音作りは最後のレッスンまで
続きました。

恩師 増永弘昭 2

2006年05月29日 | 恩師 増永弘昭先生
先生に最初に教えてもらったことは

左手の親指を伸ばして、指の腹より下で
Keyを押さえるように。とのことでした。

現代の金属で出来ているフルートは
木管に比べると管が細いことが一つの理由です。
もう一つは親指を曲げると余計な力が入るので、
指周りが遅くなりますよ。というのが、理由。

右手のポジションは小指を曲げて
小指の側に手の甲を傾けるように。
できるだけ力が入っていない状態をつくるということでした。

教則本を見て箇条書きを気楽に読むような感覚ではなく、
これらをなめるように直してゆきました。

曲が難しくなればなるほど、
些細に思うようなことが、演奏の妨げになります。

恩師 増永弘昭 1

2006年05月28日 | 恩師 増永弘昭先生
増永先生。
初めて会った時、オーラがかかって見えました。
そして、よく分からないことを言われました。

君はどうしようもない位、頭が凝り固まっている。
まず、私の言うことを信じてください。
私が、ポストが白いと言ったら、白だと思うように。

は?

まあ、いい。
とにかく習う以上は全てを受け入れよう。
これが最後だ。崖っぷちだ。

そう思って習い始めました。

フルート…あごの形

2006年05月26日 | flute 2006
フルートを吹くのに
歯並びや噛み合わせは苦労の種です。
受け口の友人も結構大変そうです。

でも良い息を作ることができれば
かならず良い音は出せるのでご安心ください。

もちろん、対策は必要です。
アパチュアが唇のどこに出来るのかを確認しましょう。
フルートを当てる場所を左右に大きくずらす必要のある方もいます。

唇の下のくぼみが大きくへこんでいる人も
対策が必要だと思います。
極端な時は頭部管のリッププレートに
3~5mmくらいの厚みを加える必要のある人もいます。
(コルクや、薄いプラスチックを貼付けたりします)

原因を探して上手に補いたいです。