フルート吹きのほっと一息

フルートのこと、音楽のこと、作曲家のこと。そして愛犬トム君との日々。
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希望

2011年01月07日 | 恩師 増永弘昭先生

天国の先生、お元気でしょうか?

 

昨年はヴァイオリンを手にして遊ぶこと50日くらい。

 

発音や演奏の技術の難しさはさておいて、 弦をこする、

共鳴体に響くという状態が耳に心地よくなるまで楽しく練習。

その直後に本業もさらわなければ・・・と、

フルートを練習し始めたら愕然としました。

 

フルートの音がとても小さく感じたのです。

楽器の特性としてはそんなはずはないのだけれど、

体感としては確かにそうなんですね。

 

耳元で共鳴体が響いている状態は身体と一体となり

とても大きな音に聴こえ管楽器とは随分違う感覚。

開放弦で弾いていても他の弦の倍音が響き合う。

一つの音が具体的に他の倍音と響き合う感覚。

フルートだと実感するのが難しいのだけれど、

確かに分かる。先生に教わった通りです。

 

そして耳元で共鳴体の感覚に頼りながら響きを

確認することは、つまり楽器を鳴らすという感覚は、

こんなにも心地よいものなのかと改めて気づいたんです。

 

さて、フルート。

弦楽器と違い、共鳴体は部屋という空間。

自宅なら音楽室だし、立派なコンサートホールの時もあるけれど、

会場によってはロビーであったり、体育館だったりでいろいろ。

リハーサルの時とお客さんが入った時では

共鳴体が全然違う響きの状態になっていますよね。

(お風呂と寝室くらいのちがいがあります)

 

これまで演奏会本番で音が響かなくなることは

当たり前だったのですけれど、

あれ?っと思ったのは舞台でちょこっとバイオリンを

弾いてみた時のこと。手元にある楽器そのもの(共鳴体)に響く音を

自分が確認しながら演奏していることに気づきました。

これは想像以上にとっても楽な事ですね~。

 

フルートは会場によっては自分の鳴らした音が

奏者に返ってこないように感じることが多くて、

気をつけなければ息を必要以上に吹きすぎてしまう傾向がありますし。

そんな響かない会場の時は手元に返ってくる音を判断材料に

すると大失敗してしまうこともあります。

 

演奏会の本番中に判断しながら演奏するのは本当に

難しいのだけれど、フルートのハーモニクスの感覚を

バイオリンみたいに手元(の箱)で感じながら

同時にコンサート会場という箱を意識するという、

まるっきり反対のことを同時に感じて判断する必要性はどうでしょう?

そんなわけで手元の共鳴体を想像しながら共鳴体の中で

響き合う豊かな倍音を察知して共鳴体が近くにある様な

意識を忘れずにフルートを演奏するということを探っています。

 

そうそう、ところで。2010年末に音響学の専門家に会った時に

サブハーモニックの存在を教えてもらいました。ビックリです。

ヴァイオリンはG線のオクターブ下の音が出るんですね。

そして、かなりワクワクしました。

なんと!私でも一瞬なら出せる音だったのです。バイオリンで!!

 

もちろん物理的に音が出ることと、その奏法で音楽的な表現を

できるとこととは違うだろうなと思いますが、

サブハーモニックという概念は音の響きというテーマで考えると

フルートの演奏にもなかなか通じるものだと感じました。

 

ここで大切なのはバイオリンを弾いている時に

オクターブ下のGの音は共鳴しているということです。

気づいていなくても、その分だけ響きの幅が広くなる。

 

普段のフルートの演奏時にフルートよりずっと下の音域を

意識するようにしているのですが、演奏の効果があるんです。

そして先生が言っていたように

「一つの音を吹いている時ハーモニクスの和音が合っていなければ

ならない」という話が繋がってくるのです。

「そうです。今頃分かったんですか」なんて天国で言っていますね!

ああ、先生と話がしたいなぁと思っている私です。

 

ちなみにインターネットで調べたところ・・・

 

この奏法は、初心者が弓を強く押し付けて出してしまうノイジーな

音(弦の縦振動モード?)をコントロールして音階を出せるように

したもので、最低音は通常の奏法の1オクターブ下まで伸びる。

左手のポジションは変えなくても、指圧(通常の倍音奏法の場合)と

弓圧(サブハーモニック奏法の場合)のコントロールだけで瞬時に音程

を変えられる。

 

「G線下の世界」・・・サブハーモニックス

 http://blogs.yahoo.co.jp/jack_violin1945/27040951.html

だ、そうですよ。

 

 

追伸 センセ、新年おめでとうございます。

   年賀状の住所がわかりません。

   ことしもワンコ(トム君)の賀状ですよー。 


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